過去5人の全勝1期抜けは誰か?

中学生棋士の藤井聡太六段がC級2組を全勝1期抜け。史上6人目の快挙というニュース。

 

富岡英作八段
富岡英作八段

将棋の名人戦はC級2組から1組、以下、B級3組・2組・1組、A級と1段階ずつ昇級して、A級順位戦の優勝者が名人との挑戦権を得るというシステムです。

四段プロデビューした棋士は、C級2組で戦って上位3位(現在は)までに入ればC級1組に昇級できます。ここを1期目に全勝で抜けた棋士が過去に5人います。

 

ニュースは、過去に5人いるといっても、誰かは紹介していないので気になりました。ネット検索してみると、以下の5人でした。

 

第4期(1950年:昭和25年)の清野静男八段。将棋や詰将棋に多くの著作を残されていますが、病気がちだったようで、55歳の若さで亡くなられています。

 

第18期(1963年)の大内延介九段。昨年亡くなられましたが、振り飛車穴熊のイメージがあります。大橋巨泉さんの師匠として、テレビなどでも活躍されました。

第21期(1966年)の中原誠十六世名人。誰もが知っている将棋界の巨星です。「自然流」と呼ばれる本格派の重厚な棋風で知られました。脳内出血で体調を崩したことで引退されましたが、その時点でも竜王戦1組に在籍中のトップ棋士でした。

 

以下は、現役の棋士です。

第40期(1982年)の中村修九段。「受ける青春」と呼ばれた、受け将棋の名手です。

第44期(1986年)の富岡英作八段。今では珍しい矢倉党の棋士です。

第70期(2012年)の船江恒平六段。若手でメディアでの解説などでもお馴染みです。

 

あれ?6人いますよね。

どうやら、第4期の清野八段は数に含まれないようです。戦後間もなくて、将棋界の仕組みが十分に確立されていない時期です。実際、清野さんは三段で順位戦に参加していて、全勝して五段に昇段しています。藤井六段は五段の期間が16日しかないということで話題ですが、清野さんは四段を飛ばしているわけです。