気象庁の異常気象分析検討会が、今冬の低温や大雪を要因を分析して見解を発表しました。
平成30年冬は、特に西日本で気温が低く1986年以来32振りの寒さでした。更に積雪も多くて、気象庁の積雪観測321地点中17地点で過去の年最深積雪の記録を更新しました。
気象庁が発表した低温や大雪の要因をざっくりまとめると、「ラニーニャ」と「北極海の海氷減少」の二つの要因が重なったということです。
[要約]
1.日本の南を流れる亜熱帯ジェット気流が南に蛇行した。日本の北を流れる寒帯ジェット気流が大きく南に蛇行した。この結果、日本に強い寒気が流れ込んだ。
2.亜熱帯ジェット気流が南に蛇行した一因は「ラニーニャ現象」にある。
※ラニーニャはペルー沖など赤道付近の東太平洋で海面水温が低くなる現象です。これが起こるとインドネシアなど西太平洋(日本から見ると南西)の海面水温は逆に高くなって、積雲対流活動が活発になります。
3.寒帯ジェット気流が南に蛇行したのは、ロシア北西の「北極海の海氷減少」にある。
欧米では連日報道されているようですが、現在の北極海は「真夏並みの暑さ」だそうです。今冬の気温は平均気温より15~20℃も高くなっていて、海氷の減少スピードは過去最悪だそうです。この状態が続けば、冬に寒気を北極海に滞めておくことができず、日本に流れ込むことがしばしば起こるかも知れません。
地球温暖化の抑制は、人類の存続にも関わる大きな課題です。