太陽光発電の設備利用率は、1年間で通算すると12%前後になります。但し、発電するときと、電気が必要なときとが合わないのです。
電力の設備利用率(%)とは、”年間発電量÷(発電設備容量×365×24)×100”で示されるものです。
どんな発電所でも常にフルパワーで発電しているわけではありませんし、メンテナンスで止める必要も出てきます。
日本の火力発電所の設備稼働率は東日本の震災前は約45%で震災後は約55%です。これは原子力発電の利用率が約80%からゼロに下がったのでその埋め合わせです。なんだ、55%しか動いていないのか?と思うとダメです。電力需要はいつも一定ではないので、必要なときに電力を供給するには既に危険領域です。
再生可能エネルギーのなかでは、水力発電は設備利用率95%くらいで最も高くなります。ダムはけしからんという意見が多くて、建設するのは難しいのですが、水力は一番計算できる発電設備です。
これに対して、風力は15%、太陽光は12%が設備利用率の平均になります。太陽光発電は、いろいろな工夫で新しく設置した発電所の場合は14%くらいまで上がってきています。
太陽光発電の設備利用率は日射で決まります。当たり前なのですが、日射がある昼間しか発電しません。また曇りや雨の日は発電量が落ちてしまいます。更に、積雪があれば晴れた日でも発電しません。また、冬は太陽の角度が低いので発電量は下がります。ベストの状態で、5月6月の発電量の60%くらいです。
今年は、山口県でも積雪が多くなっています。北国のように大量の積雪ではないので、終日発電できないということはほとんどありません。それでも、お昼過ぎくらいまでは全く発電しないという日が出てきました。冬の寒い朝にエアコンで暖をとるとしても、太陽光発電の電力は使えません。この単純な理屈を理解する必要があります。