近代栄養学は新しい学問です。最近は「時間栄養学」というのが流行しています。
広い意味での栄養学は、アリストテレスやヒポクラテスの時代からあったそうです。当時の栄養学は、食事によって人間の力を高められるので注意しましょうというレベルでした。
体系的な栄養学の祖は、ローマ帝国時代(2世紀)のギリシャ人医師ガレノスと言われています。ガレノスの時代には、全てのものは「土・空気・火・水」の4大元素からつくられ、それぞれ「乾・湿・熱・冷」の4つの性質を持っていると考えられていました。ガレノスは、人の身体も4つの性質のバランスを取ることが大切であると教えています。例えば、野菜は冷と湿の性質を持ち、肉は乾と熱の性質を持つので、両方を食べたほうがいいわけです。
近代栄養学は、西洋では船員の壊血病の予防から始まり、日本では脚気の予防に始まったそうです。壊血病の予防では、18世紀の英国海軍がレモンやライムのジュースが有効(ビタミンC)であると結論を出します。日本の脚気では、1910年に鈴木梅太郎がアベリ酸(ビタミンC)の抽出に成功します。
20世紀に栄養学は飛躍的発展を遂げて、12種類のビタミン・17種類の無機塩・10種類のアミノ酸・2種類の脂肪酸を食べ物から得る必要があることが分かりました。
さて、「時間栄養学」が注目されています。簡単に言えば、人間には1日24.5時間の体内時計があって、栄養の消化・吸収・代謝の働きは時間に支配されているということです。
詳細は書籍などに譲るとして、ポイントは以下のようなことだそうです。
1. 朝食は最も大切である。
2. 食事の量は朝4:昼3:夜3(朝2:昼1:夜1や朝3:昼3:夜4と書いてある本もあります。)要するに、朝しっかり・夜は軽めということです。
3. 1日の食事は12時間以内にとる。
最後の1日の食事は12時間以内(残り12時間は絶食)というのが、特に気をつけるところのようです。さて、守れますかね?