電力料金は基本料金と従量料金の合計

家庭や事務所の電力料金は、主開閉器の大きさで基本料金が決まります。

 

省エネ(電力コストダウン)
省エネ(電力コストダウン)

家庭や事務所の電力料金の場合は、主開閉器(メインブレーカー)の大きさで基本料金が決まります。

 

例えば、従量電灯Bの契約の基本料金は、1kVA当り400円というように決まっています。仮に、電圧が単相200V(ボルト)で、主開閉器が60A(アンペア)であれば、12kVAになるので基本料金は4800円になります。

 

簡単に言えば、主開閉器のアンペア数を下げることができれば基本料金が下がります。このケースでは、50アンペアに下げれば月に800円、年間で96,000円のコスト削減になります。

もちろん、50アンペアに変えてから、それ以上に電気を使うとメインブレーカーが落ちてしまうので、仕事や生活に支障が出ます。ちゃんと計算してから変えないといけません。

 

また、動力を使う小さな工場などでは、低圧動力という契約になっています。

この場合の基本料金は工場にある機械の動力(モーター)の大きさを合計したもので決まります。工場に動力5kWの機械が4台あったので、20kWで基本契約を結んでいたとします。その後、事業内容が変わったので、5kWの機械のうち1台を廃止して、1台を2kWに更新したとします。自動的に、基本料金は12kW分になるかと言うと、そうはなりません。

電力会社のほうから払い過ぎじゃないですか?とは言わないのです。事業者のほうから、電力会社に連絡して変えてもらう必要がありますが、中電の営業店によっては何だかんだと抵抗するようです。まぁ、しかし連絡すればコストダウンになるので、我慢して電話しましょう。

 

逆に、電力を大量に使う工場の場合は交渉です。最大需要電力が500kWを超えるような大きな需要家の場合は、協議制で基本電力契約が決まります。何年か担当しましたが、まぁ、いろいろあります。

 

このブログを読んでいる人は、500kW未満の電気を使う事業者が多いと思います。

電力需要が500kW未満の事業者の場合は、協議制に対して「実量制」で基本料金が決まります。例えば、基本料金が1kW当り1,500円とします。仮に、契約電力量が100kWだったなら、基本料金は毎月15万円になります。この100kWが、協議ではなく、実量で自動的に決まるのがポイントです。

 

電気契約要領には次のように書いてあります。

「各月の契約電力は、その1月の最大需要電力と前11月の最大需要電力のうち、いずれか大きい値」 となります。

尚、最大需要電力(デマンドとも言います)は、30分ごとの使用電力量の平均電力を測定して、その月の中で最も高い数値(ピーク時)のことです。

 

電気使用量が全く同じでも、最大需要電力が大きくなると電気料金が上がります。更に、上がった基本料金は1年間変わりません。つまり、何かの事情で1度だけ、しかも30分間だけ、電気を多量に使っただけでも、1年間基本料金は高くなったままになります。

例えば、デマンドが10kW超過した場合は、上の例では基本料金が月に1万5千円上がって、年間18万円のコストアップが予想されます。

逆に過去12カ月の最大デマンドが80kWだったなら、その月から契約電力が80kWに自動的に下がります。手間はかかりませんね。

 

要するところ、電気料金のカットには最大需要電力を押さえることが大事だということです。

デマンド監視装置を取り付ける事業者さんが増えています。