一月九日で”いっきゅう”となり、一休さんから「とんちの日」となったそうです。
一休宗純は臨済宗大徳寺派の高僧です。後小松天皇の落胤という説が有力で、高貴な出自であることは確かなようです。
6歳で京都の安国寺に入ったあたりは、アニメの「一休さん」で有名です。その後の破天荒な数々のエピソードは、真偽のほどはともかく、一休さんが民衆の人気を集めていたかがわかります。
お正月は終わりましたが、「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」なんていう、一休のことばはよく知られています。
お正月が来ると、一つ年をとって、その分だけ冥土が近くなったと思います。この前半部分から”めでたくもなし”のほうがよくわかります。”めでたくもあり”の解釈のほうは、人それぞれで、いろいろありそうです。
冥土への旅は、時の積み重ねで、1年間積んだ経験やそこで体得した知恵をたいせつに活かすことが”めでたい”ということかも知れません。
臨済宗は言うまでもなく禅宗です。座禅などによって悟りを得るわけです。
臨済宗にはいくつかの有力な宗派がありますが、三原市にある仏通寺は、1397年に愚中禅師によって開山された仏通寺派の総本山です。小早川氏、毛利氏の庇護を受けて、最盛期には末寺3000を数えたということです。紅葉の美しさで有名ですが、冬の仏通寺もよいものです。
雪舟は仏通寺に滞在するために、篩月庵といういおりを立てました。この庵の場所に行ってみると、山水画のように仏通寺の谷間が一望のもとにできます。
是非、一度、お越しください。