中小企業こそレジリエンスを磨く

レジリエンスは心理学の用語ですが、広く知られています。

「再起力」「復活力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」など様々に訳されます。

 

ヤマト復活
ヤマト復活

レジリエンスとは、「苦境にあっても耐え抜く力」+「苦境をバネに更に力強く成長する能力」のことです。

 

どんな人にも、活動していく上でのリスクはあります。地震や津波など人智では解消できないリスクもありますし、経済危機のように理不尽ではありますが、かならずやってくる危機もあります。「苦境にあっても耐え抜く力」が必要です。

 

そこまで大げさでなくても経営をしていれば、リスクは向こうからやってきます。

外からやってくるリスクには、取引先の倒産で損害を被るとか、不良品を知らずに販売してしまったとか、他社が発売した新商品が人気になって自社商品が売れなくたったとか、法律や規制が変わってしまったとか・・・・・。内からやってくるリスクには、後継者と思っていた人が突然辞めるとか、開発の完成を期待していた商品に致命的な欠陥が見つかるとか、工場の重要な設備が予期せず故障するとか・・・・。いろいろあります。

 

経営者は、リスクを想定して、それを引き受ける力を身につけなければなりません。

もちろん、第一は「自己資本」の充実で、どの企業でも共通です。一部の政治家やマスコミが企業に「内部留保」が溜まっているのが怪しからんなんて、温いことを言っていますが、騙されてはいけません。経営のレジリエンスの基本は「内部留保」の大きさです。

第二以降は、企業によって異なるでしょう。「正確な情報収集能力」「良好な人間関係」「高い耐久性の設備」「複数の仕入ルート・販売ルート」など、リスクに耐える力を持ちます。

 

レジリエンスのもう一つの要素は「苦境をバネに更に力強く成長する能力」です。要するに、「転んでもただは起きぬ」ということです。ピンチはチャンスでもあります。あぁ、もう駄目だ!と悲観するのではなく、リスクから与えられるチャンスをフル活用する能力です。

 

企業には本来持っている「強み」があるはずです。ピンチのときには、その「強み」を高めることが有効です。そして、ピンチをチャンスに変えた先例は数多くありますから、これに学ぶことも大切です。経営者は、常にポジティブにエネルギーを高めていくことです。