ときには、お客様が専門家だったりする

某大手家電メーカーで製品開発をしていた友人の話が面白かったので紹介します。

 

家電
家電

仕事柄、家電量販店には、足を運ぶ機会は多いそうです。普通は会社の近くの大型店に、一人あるいは同僚と出掛けます。平日の昼間の時間帯です。

店員さんのほうも、どうやらこの人は買い物客ではないようだと、雰囲気で察して声を掛けません。

 

ところが、休日に奥さんにせがまれて、自宅近くのお店に二人で出掛けたのです。そうすると、どうしても自分が開発した商品の展示の状況や評判が気になります。ついつい商品のところに足を運んで、奥さんに商品の説明なんかしていました。

こうなると、店員さんの方は、この商品を購入する気があるのかと勘違いしてしまいます。世界一、この商品に詳しい人を相手に、生き生きとして商品説明をするという、外から見ると、ちょっと滑稽なことになってしまうのです。

 

同じようなことは、私たちの周りでもよくあります。

診断士は講師として講義をしたり、人財育成の仕事をすることが多いのですが、ときに受講生のなかに意外な専門家が混じっていることがあります。そんなときに、生半可な知ったかぶりすると恥をかくことになります。

 

こういう事態を避ける方法は、相手側が知りたい情報が何かを把握して、その情報を提供するということに徹するしかありません。

家電の専門家は、商品展示の仕方、性能表示のわかりやすさ、POPの書き方、他のお客さんからの評判などが知りたいのですから、それを伝えたいところです。また、その道の専門家が講習を受けに来たということは、何らかの得たい情報があったはずです。その動機付けを正しく把握できれば、怖いものはありません。

”言うは易し、行うは難し”なのですが、心掛けていかないといけません。