好調な韓国経済が東アジアを支える

日本ではネガティブな報道もありますが、韓国経済は好調です。

 

韓国経済は好調維持
韓国経済は好調維持

日韓関係はこじれています。日本人としては韓国側に問題が多いように感じるのですが、文化的な違いも含めて考えるべきでしょう。

 

韓国との慰安婦問題や中国との南京虐殺問題などで、日本側は相手が実態を過剰に大きく見せていると感じます。但し、アジアの文化で、大きさや数を正確に把握しようとするのは日本人くらいかも知れません。仮に100人でも被害があれば、それを万人の大きさで表現するのは伝統です。

日本のような万世一系ではなく、内乱によって支配する民族すらが入れ替わる国では、千年も恨み続ける(逆に言えば、恨まれ続けるのですが・・)のも文化であり、仕方がありません。

 

そういうフィルターを全て外してみれば、韓国経済は好調です。

2016年の名目GDPは1兆4千億ドルで世界11位。ロシアやオーストラリアより上位に位置します。最近は毎年3%前後の成長を続けており、足下の2017年3Qは6.3%を記録しています。中国の成長率は7%だから、すぐ抜かれるじゃないか?と言われる人もいますが、一人当りGDPが韓国は約2万8千ドルで中国は8千ドルです。2万8千ドルの3%は840ドルで、8千ドルの7%は560ドルですから、一人当たりで考えれば韓国が中国に抜かれることはありません。(同じ理屈だと、一人3万8千ドルの日本は1%成長で380ドルの伸びですから、早晩韓国に追い抜かれそうです。頑張りましょう!)

 

鉱工業生産は1%前後の伸び(日本はマイナス)で、失業率も3%台後半で安定しています。消費者物価も年率1%台の上昇で、対ドルの為替相場も安定しています。国際収支も黒字を続けており、外貨準備高も3800億ドルと高水準です。財政収支も主要国では唯一プラスを続けています。外形的には心配されることはありません。

 

日本と違って、国民の消費意欲も旺盛で、内需も拡大しています。日本を訪問してくださる韓国人観光客も大幅に増えています。この裏返しとして、家計負債が大きい(対GDP比で95%くらい。日本は58%。)のが心配だという話もありますが、これも悪くありません。特に住宅ローンによる借入が大きいようですが、現物が残るお金の使い道です。

日本は家計貯蓄が大きくて負債が少ない(から良い)という人がいます。確かに平均すると世帯当たりの貯蓄が1820万円で負債が510万円となりますが、50歳未満は負債超過です。貯金を持っているのは70歳以上の高齢世帯ですから、比較にはなりません。

 

大きな目で見れば、韓国経済の活況が続き国民の生活が一層豊かになることは、日本経済にとっても好循環です。北朝鮮や中国・ロシアの政治的(あるいは軍事的)な動きに対しても抑止力になります。政治文化面ではなかなか難しい日韓関係ですが、経済面でも協力や連携は強めていきたいものです。