ROIC(投下資本利益率)を採用する

日本ペイントが来期から経営指標としてROICを導入するというニュースがありました。

 

日本の自動車6
日本の自動車6

日本ぺイントは、いろいろな思い入れのある会社さんなのでニュースに出るとチェックしています。

ROIC(投下資本利益率)という指標も気になっていたのですが、よく知りませんでした。

 

企業の収益性をはかる指標にはいろいろあります。

総合指標としては、ROA(総資本当期純利益率)があります。近年はROE(自己資本当期純利益率)が重視される傾向にあります。

 

さて、ROIC(投下資本利益率)の計算方法は、分子が「税引き後営業利益(営業利益-法人税)」で、分母が「投下資本(自己資本+有利子負債)」でおこなうのが一般的です。つまり、事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。

 

試みに、昨年度の自動車6社の連結決算書で計算してみました。

トヨタ(売上高27.60兆円・営業利益1.99兆円)のROICは約3.7%。

ホンダ(売上高14.00兆円・営業利益0.84兆円)のROICは約3.6%。

日産自(売上高11.72兆円・営業利益0.74兆円)のROICは約3.8%。

ビッグ3は、ほぼ同じような収益性と言えます。ここまでピッタリするのも不思議です。

 

続く中堅3社を計算してみると・・

スバル(売上高3.33兆円・営業利益0.41兆円)のROICは約12.5%。

マツダ(売上高3.21兆円・営業利益0.84兆円)のROICは約7.2%。

スズキ(売上高3.17兆円・営業利益0.27兆円)のROICは約8.4%。

いずれもビッグ3を大きく超えていることが分かります。それぞれの会社が特徴を持っていて競争力が高くて、投下資本に対して大きな付加価値を産んでいるようです。

 

まぁ、実際には大手自動車会社はオートリースを通じて金融会社という側面が大きいので、一概には言えないのですが、同種企業同士であれば比較はできますね。また、大手企業では事業部毎の収益性評価に使うことが多いようです。