日本の外食産業の規模は、東日本大震災があった2011年に28.6兆円でボトムになりました。
その後は、復興と景気回復によって市場規模は拡大しており、2016年には32.4兆円となり、過去のピークであった1998年の32.8兆円に迫るところまで戻ってきました。
その1998年と比較して、どの分野が伸びているかを調べてみます。
最も伸びているのは弁当小売りです。まぁ、これは狭義には外食ではなくて中食ですね。
1998年の4.4兆円は2016年には7.0兆円まで大きく(59%増)伸びました。コンビニのお弁当を買って食べるというスタイルは完全に定着しています。
この分類で伸び率が最も高いのは保育所給食で、2046億円から3348億円と64%も増加しています。「保育園落ちた。日本死ね!」と叫ぶ理不尽さがここでも分かります。
実は、飲食店の売上も13.3兆円から13.9兆円と5%伸びています。レストランや食堂は減っているのですが、ラーメン・うどん・そばといった麺類の店が増えて、全体を底上げしています。他に、増加しているのは学校給食と機内食という分類です。
逆に減っているほうは、旅館やホテルなど宿泊施設での飲食需要で4.4兆円から2.8兆円まで極端な落ち込みです。また、料飲店は軒並み25%程度の減少です。料飲店とは、喫茶店・居酒屋・料亭・バー・キャバレー・ナイトクラブといったところです。
これから外食産業で起業したり、事業多角化を考えている方は、この状況で何を考えるでしょうか? 延びている弁当業に参入したり、ラーメン店を開くというのも考え方です。
しかし、減少している宿泊施設での飲食や、料飲店の経営にチャレンジするのも悪くありません。それぞれ一定の需要はあるわけです。産業の規模縮小で、既存企業が苦しんでいるなかで、フットワークよく顧客ニーズを取り込めれば、成長分野を超えるリターンを得る可能性もあります。
バー・キャバレー・ナイトクラブ産業について、調査研究してみるのも面白そうです。(^^♪