中小企業のために使いやすくて有利な退職金制度として「中退共制度」があります。
中小企業では、自社の力で退職金を積め立てるのは、なかなか難しいことです。その気があっても、何十年に及ぶ期間ですから、浮き沈みも何度かくるでしょう。
そんな場合の備えには、中小企業退職金共済制度(中退共)を利用してください。
何故、中退共をお勧めするかと言えば、とても有利だからです。この制度では、事業者が従業員のために毎月の掛金を支払います。この掛金は全額非課税となり、手数料などは不要です。更に、僅かですが掛け金の一部を国が助成します。
国の制度なので、安心で確実です。
従業員が退職した際には、事業主は中退共に退職届を提出し、従業員には共済手帳を渡します。従業員は、共済手帳をもとに中退共に退職金を請求して受け取っても構いませんし、可能な場合には、転職先の年金制度に持ち込むこともできます。
現在の年平均利回りは1%ですが、助成金を含めると1.1~1.2%というところでしょう。定期預金の金利が0.1%もない状況では有利な運用と言えます。
中退共が従業員のための退職金なら、小規模企業共済は経営者の退職金です。事業者が自ら掛金を支払って、自らが退職、廃業、事業譲渡した場合に退職金として受け取ります。大きなメリットは、掛金が全額損金算入できることと、退職金(あるいは年金)として受け取るときも利息分含めて所得から控除されます。
起業する人、事業を始めたばかりの経営者は、小規模共済に加入するべきです。月々の掛金には上限がありますので、加入期間は少しでも長いほうが有利です。
詳しくは、次のウェブサイトをご覧ください。
☞ 独立行政法人 中小企業基盤整備機構(共済のページ)