解体工事業に真剣に取り組む

解体工事業は、これからの成長産業として大注目です。

 

解体工事業の元請完成工事高推移(2010年度~)
解体工事業の元請完成工事高推移(2010年度~)

戦後の高度経済成長に伴って大量に建設された日本国内の建造物は、その多くが耐用年数を超えてきました。

人口動態や生活スタイルの変化などによって、陳腐化して使われなくなった建造物も、数多くあります。住宅は民間も公共も問わず空き家や空き室が増加して大きな問題になっています。

 

グラフは2010年度以降の「はつり・解体工事業の完成工事高」です。

2012年度の公共工事が突出しているのは、2011年の東日本大震災の影響です。これを除いてみると、民間も公共も毎年市場を拡大していることがわかります。2015年度で。民間工事高643億円、公共工事高136億円、合わせて約780億円という市場規模です。

 

何故だか景気回復の実感が無い?という人もいるのですが、企業がお金を蓄えて、家計も可処分所得が増え、雇用も順調で人手不足ですから、建物の新陳代謝はこれからも進みます。

 

解体工事業は、これからの成長産業です。また、解体工事は資材や材料が要らないので、腕がよければすごく儲かります。建設工事施工統計で平成26年度の付加価値率を計算してみると、解体工事業は27.6%となります。建設業全体では21.3%ですから6.3ポイントも高くなっています。

 

こうなると、多くの事業者が解体工事に参入してしまい、粗悪な事業者も混ざってしまう恐れがあります。これを見越して、昨年(平成28年6月)に建設業法が改正されて29番目の建設業種として「解体工事業」が追加されました。既存事業者は3年の猶予がありますが、解体工事を施工するには解体工事業の登録が必要になりました。

 

働く人の労働環境を整え、安全な施工をおこなうこと。環境に十分配慮して、質の高い解体工事を実施することに真剣に取り組む事業者が増えていくことが大切です。