人には寿命があります。事業にも寿命があります。一方で、会社には寿命はありません。
当たり前のことですが、永遠に生きて活躍できる経営者はいません。自然人はいつかは、死んでしまいます。
一方で、法人である会社は永遠に生々発展することが可能です。従業員を雇用して、取り仕切先との関係を築いた会社は、持続することに意義があります。
会社は何らかの事業をおこなっています。実際は、何らかの事業をおこなうために人が集まってつくるのが会社です。
ここで、難しいのは事業にも寿命があるということです。
日本には長寿企業がたくさんあります。寺社仏閣の建築とか、清酒・味噌・醤油の醸造とか、非常に寿命の長い事業もあります。一方で、10年も続かないような寿命の短い事業もあります。
平均的には、数十年でしょう。事業の寿命は経営者の寿命より短いのが普通です。
そこで、会社は新しい事業を興したり、事業を転換したりします。
事業にはライフサイクルがあります。「導入期・成長期・成熟期・衰退期」の四段階で分けるのが一般的です。
創業者は事業を興します。苦しい導入期を超えて、事業が成長し、成熟して、会社の運営が軌道に乗ります。そうして、いつしか後継者に会社を承継する時期がきます。そのときに、事業が成熟期にあれば幸いです。仮に衰退期に入っていても、寿命が尽きるまでの充分な期間が残っていれば後継者はスタートしやすいです。この時期の見極めは大切です。
事業承継の時期は、現経営者の年齢や体力で決めるのではなく、会社の主力事業のライフサイクルの段階をみて判断することが大切です。