実感がない景気拡大のほうがいい

景気拡大が58か月続き、「いざなぎ景気」を超えた。一方で、景気拡大の実感な乏しい。

 

内閣府 CI(一致指数)の推移
内閣府 CI(一致指数)の推移

昨日、茂木経済再生担当大臣が、今の景気回復は4年10か月にわたって続き、長さでは、高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超えた可能性が高いという認識を示しました。

これに対して、マスコミなどの識者や野党政治家の意見は「景気拡大の実感が無い」と批判的です。同じ批判は小泉内閣の「いざなみ景気」のときもありました。

 

マスコミの識者や大物政治家は、皆さんご高齢なので、景気拡大と言えば「バブル経済」であり、もっと高齢の方ですと「高度経済成長」のようです。また、これらの皆さんは総じて資産家なので、株式や不動産などの価格が最高値に戻らないので景気拡大を実感できないようです。

 

しかし、地方の中小企業では景気拡大は充分に実感できています。何より、雇用が回復しています。このため、中小企業では採用がままなりません。山口県内では、業績が優良なピカピカの中堅企業でも新卒採用に応募が集まりません。とは言っても、バブル景気のときのように学部生に100万円単位で奨学金を渡すようなところまでは来ていません。

 

また、最低賃金のアップは、中小企業の経営を圧迫するレベルになってきていますし、雇用者にとっても希望を超える金額になっています。

 

以前から何度か書いていますが、「山高ければ、谷深し」です。景気拡大が実感できるような高い山には深い谷が待っています。実感が伴わないような、ダラダラとした高原のような景気拡大のほうが、中小企業にとってはありがたいと思います。