安倍首相は卓越したリーダーシップを発揮しながらも、うまくいかなくなっています。
安定していて、穏やかに成長が続くような環境で経営をおこなう場合には、管理型(コントロール型)のマネージャータイプのトップが適しています。
一方で、先が読めない、変化が大きく衰退の可能性もあるような場合には、リーダーシップをとるトップが望まれます。
コントロール型は規則やマニュアルをつくって「いかに管理するか」を考え抜くのに対して、リーダーシップ型は「いかに成果を出すか」にフォーカスします。
このため、コントロール型は変化への対応力が劣ることになります。
また、コントロール型のトップは規則やルールに基づいて組織や部下を統治するので、減点主義になりやすく、消極的で依存型の組織になります。対して、リーダーシップ型の場合はやる気と能力のある組織や部下を評価する加点主義です。創造的で自立型な組織になります。
コントロール型の組織では、ひとつ上位の意向に従うことだけが求められる事が多く、倫理的な問題がおこったり、組織全体としてのパフォーマンスが低下することがあります。
リーダーシップ型が良いのは確かなのですが、なかなか上手くいかないことがあります。それは、組織そのものがコントロール型の統治に馴染んでいて、組織としての共通の目的やビジョンを共有できない場合です。こういう組織では、外部環境が大きく変化しているのにも関わらず、ずっと一緒(だったらいいなぁ)、これまでうまくいった(きっとこれからも)という、組織の慣性が強く働きます。
トップがリーダーシップを発揮するには、目的を共有する筋肉質な組織であることが前提になります。経営のビジョンを明確にして、会社にとって独自で、且つ全社員に普遍的な目的を共有することが大事です。
首相もこれを目指したのでしょうが、国のレベルでは難しかったようです。しかし、会社のレベルでは先ずこの作業に力を注ぐことが第一歩です。