農業支援法に期待しています

昨日の読売新聞の社説に「農業支援法 全農の改革への姿勢が重要だ」と載っていました。

 

農業競争力強化支援法が5月の国会で成立
農業競争力強化支援法が5月の国会で成立

正式な名称は「農業協力強化支援法」と言います。

今までマスコミでは「農業強化法」あるいは「農業競争力強化法」と略されることが多かったのですが、読売新聞は「農業支援法」と見出しに使いました。

小さなことですが、印象が違いますよね。マスコミの立場がわかります。「競争力強化」は厳しさが前面に出て、少し否定的なイメージがあります。「支援」となると援けてもらえるのね?となってポジティブです。

 

もちろん、法律の中身が変わるわけではありません。この法律は、5月に国会で成立して、8月1日に施行されました。

 

ポイントは、農家が安価に良質な肥料や農薬などの農業資材を仕入れることができ、一方で有利な条件で出荷できるように支援するということです。

逆に言えば、今までは農家が高い値段で買わされていた、不利な条件で売らされていたという風に、政府は思っているということです。資材の仕入れも、農産物の販売もJAが取り仕切っていたわけですから、とりもなおさず、JA改革法案というわけです。

 

農協は戦前戦後の歴史の中で大きな役割を果たしてきました。戦後70年以上が過ぎて、農業の構造も変わってきました。農業が将来にわたって持続的に発展していくためには、農業の構造改革が必要です。

もちろん、この法律は農家やJAだけが影響を受けるのではなく、農業用資機材を製造する事業者、農産物の流通を担う事業者、食品加工などの事業者にも影響は及びます。健全な事業者にとっては追い風になるのですが、事業再編のきっかけになることも予想されますので、注意が必要です。

 

 

いずれにしても、農家が農業経営者として発展していくためには、この法律をベースにした規制緩和と改革が進んでいくことを期待されます。