高齢者のニーズはとても細かい

「地域は少子高齢化で人口減少している。高齢者のニーズに合わせた商売をします。」

 

高齢者はいろいろ
高齢者はいろいろ

経営者の方で、こういわれる人は多いのですが、注意が必要なのは、高齢者のニーズは非常に多様で、とても細かいということです。

 

若年層のニーズは、例えば小学生くらいですと、割と似通っています。もちろん、男の子と女の子、野球が好きかサッカーが好きか、ゲームなのかダンスなのか・・細かく言えばいろいろ違うのですが、それでも「楽しいこと」「面白いこと」「愉快なこと」「ためになること」といったニーズは共通しています。

 

年齢を重ねるにつれてニーズが多様化することは、誰しも経験しています。「苦しいこと」「詰まらないこと」「嫌なこと」「役に立たないこと」を、わざわざ求めることもよくあります。エッ!?そんなものが・・というような思わぬニーズがある場合も珍しくありません。

重くて、騒々しくて、実際は吸引力もたいしたことなくて、値段ばかりやたらと高い掃除機が中年の女性によく売れたりしました。

 

このニーズの多様化の極まったところに高齢者がいます。商売をする人は、そこのところを間違わないことです。年を取ると幼子に戻る、なんてことはありません。高齢者のニーズはこんなものだろうと勝手な推測は危険です。そもそも、高齢者は一様に健康志向であるというのも間違っています。

 

高齢者の食生活では薄味が好まれるとか、肉よりも魚やお刺身がいいとか、全く当てはまらない人が多いです。若者以上にはっきりした味を好む人は多いですし、魚が嫌いなシルバー世代はとても多いです。魚は高齢者には食べにくい(調理した魚は骨があって面倒ですし、刺身は噛み切れないなど)ので、ハンバーグが大好きという人もいます。

 

 

高齢者向けビジネスでは、多様性を意識することが大切です。