北朝鮮の軍事戦略とは何か

軍事戦略でも経営戦略でも戦うのですから「敵(敵軍・敵国)」がいます。

 

北朝鮮がミサイル発射で兆発
北朝鮮がミサイル発射で兆発

経営戦略で「敵」というのは意外でしょうか?

「敵」とは「組織の自由意志の行使を阻害する存在」のことです。ある会社が、ある商品を市場に販売したいという自由意志を持っていたのに関わらず、その意思を阻害するような市場や競合や規制が存在すれば、それが「敵」です。

 

「戦略」とは、「敵」を排除するために、組織が目的・目標を決定して、計画的な行動をとることです。”確かに美味しいのだけど健康に悪そうだなぁ”と思われているなら、”安心安全でむしろ健康によい”と思ってもらえるように戦略を立てます。

 

軍事戦略も全く同じで、軍あるいは国家の自由意志を阻害する存在「敵」を排除するための、目的・目標・計画に基づいた行動をとることです。

 

それでは、北朝鮮の軍事戦略を考察してみます。

先ず、北朝鮮の自由意志を確認しなければはじまりません。常識的に考えるならば、それは「南北朝鮮を再統一して、金正恩が首領として施政する一つの朝鮮」をつくることです。したがって、この自由意志を阻害するものが「敵」です。

 

アメリカは朝鮮半島が金正恩が独裁する国家になることを阻害しようとしていますから「敵」です。日本もすぐお隣の朝鮮半島にそんな乱暴な国ができるのは嫌なので「敵」です。

中国やロシアは、積極的に阻害しようとは思わないし、一連のミサイル開発に力を貸しているので「敵」ではなさそうです。

 

韓国(文政権)の立場は微妙なようです。再統一した一つの朝鮮には賛成ですし、金正恩を全く受け入れられないということでもなさそうです。

その他の国々も、核やミサイルを自由意志で操る物騒な独裁国家が拡大するのは反対でしょうが、それを阻害しようとするかどうかは事情によります。結果としてそうです。そんなに多くの国ではなさそうです。

 

北朝鮮の軍事戦略はアメリカと日本を「敵」としています。と言うか、敵はこの2カ国だけと考えているようです。「島根・広島・高知を超えてグアムに着弾する」というミサイル発射計画の発表はその表れです。

 

こうなると、当面の北朝鮮の軍事目標は「アメリカと日本の分断」です。アメリカがトランプ政権の発足以降の不安定さが収まりません。日本の安倍政権も揺らいでおり、日米同盟を基軸としない政権が発足する可能性も高まっています。また、いわゆる集団的自衛権の行使は困難な印象です。

 

朝鮮半島が金正恩が統一する国になったときのことを、真剣に考えておくべき時期が来ています。徹底的に避けるのか、うまく付き合っていくのか、どうしましょうか?

 

202×年、日米安保条約は破棄された一方で、中露朝は三国安保同盟を締結しています。北方領土のミサイル基地は日本列島全部を射程に入れ、日本海(そのときは名前が違うかも?)に軍用滑走路がある人工島が建設され、沖縄近海には新型空母が展開しています。原油や天然ガスの輸入を断たれた日本は・・・・。なんていうのは、空想の世界でもないですよね。

 

さて、日本の軍事戦略は? また、そもそも国民の自由意志とは何なんでしょうか?