中小企業でもコンプライアンス・チェックシートを記入している例がありますが、杓子定規に記入すると実態として役に立たない場合がありますので、注意しましょう。
よくある事例として、労働基準監督署が作成して事業者さんに提示しているチェックシートがあります。
通常は、労働基準法の遵守をチェックする「労働条件」という部分と、労働安全衛生法の遵守をチェックする「労働安全衛生」という部分に分かれています。
法律に基づいて正しいチェックができるようにはなっています。しかし、中小事業者として役に立たせるには、記録として活用できるように記載を工夫するとよいです。
例えば・・
◆休業 1 日以上の労働災害が発生した場合は、労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出していますか(安衛法第 100 条)。 はい□ いいえ□
といったチェック項目があります。単に、☑を入れても後の役に立ちません。
この期間に労働災害があったのか無かったのか。(無かったのであれば、報告をするはずはありません。)あったとしたら、どういうものだったのかを記録しましょう。
◆新規に雇入れた者に、又は作業内容に変更があった者に教育を実施していますか。また、その記録を残していますか(安衛法第59条)。 はい□ いいえ□
これも同じです。新規に雇入れした者があったのかなかったのか。あったとすれば、どんな経歴の人物であって、何を教育したのか(しなかったのか)を記録しましょう。作業内容に変更があった場合も同じです。
せっかく時間をとってチェックシートに記入するのですから、後になって記録として活用できるように心掛けるとよいと思います。