リフォームのときはシックハウス症候群に注意を!

住宅や事務所をリフォームした後で、「シックハウス症候群」の健康被害がでることがあります。注意してください。

 

シックハウス症候群の主な症状
シックハウス症候群の主な症状

シックハウス症候群というものが問題になったのは、25年位前(1990年代)のことです。この頃から、新築住宅が省エネを目的に非常に気密性が高く建設されるようになりました。

この結果、建材や壁紙に使われている接着剤、塗料に含まれる有機溶剤などから、ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)が放出されて室内に高濃度で滞留することになりました。これが原因となって、右の絵のような症状が出ることが社会問題となったわけです。

 

平成15年(2003年)、建築基準法にシックハウス症候群対策が盛り込まれました。建材や壁紙では、ホルムアルデヒドなどの発散が多いものが使用されないように「F☆☆☆☆」など等級がつけられています。(☆は4~1つで、が多いほど発散が少ない。)

また、換気設備の設置、天井裏や地下から室内への有害化学物質の流入防止措置などが義務化されました。

これらの対策で、最近では新築住宅でのシックハウス症候群による健康被害は、あまり聞かれなくなってきました。

 

ところが、最近でてきたのがリフォーム工事をした後のシックハウス症候群による健康被害です。いわゆる空き家が増えてきたこと等から、住宅(戸建てもマンションも)でも事務所でも、リフォームする物件が増えてきました。

 

もちろん古民家や1980年代以前に建てられたような物件は、そもそも気密性がそれほど高くないので、あまり問題はおきません。しかし、1990年代以降(2003年以前)の物件をリフォームするときには注意が必要です。リフォームでは建築基準法の規制を受けないので、業者さんに特に注意しないと☆のついていない材料を使って仕上げてしまうことがあります。

※ちなみに、1990年代のバブル期物件は豪華なので、リフォームすると人気が出ます。

 

シックハウス症候群は、重篤な健康被害が出ずに「なんとなく気分がすぐれない」といった自覚が薄い症状のこともあります。新しく引越ししたので、疲れたのかのな?と原因に思い当たらないこともありそうです。

 

施主になる場合は、リフォーム業者さんにきちんと指示しましょう。使用した建材や壁紙の仕様を明示したうえで、完成後にホルムアルデヒドやVOC濃度を測定して結果を提示してくれるような優良な事業者さんもあります。

賃貸の事務所に入居するような場合にも、施主さんに確認を取ることが大切です。外出することが多い社長には問題が無くても、社内にいる事務職員さんが不調になったりしても拙いですし、もちろんこれは社長の責任です。