深度尺ではなくて「身度尺」のこと

「しんどしゃく」って言われるので、てっきり深度尺(デプスゲージ)のことと思いました。

 

デプスゲージ(深度尺)
デプスゲージ(深度尺)

(測定計測.comより)

深度尺(デプスゲージ)は、深さ・段差の測定に用いるものです。その種類としては機械式、ダイヤル式、デジタル式があります。また、マイクロメータの機能を用いたデプスマイクロメータもあります。

 

ここでは、「身度尺」のことです。道具などを使う人の身体の寸法に合わせて、使いやすくする尺度のことをいうのだそうです。知りませんでした。

 

例えば、日本の伝統的なお盆の直径は1尺2寸(約36㎝)で、これは当時の平均的な日本人の肩幅と同じなのだそうです。肩幅と同じであれば、持ち運びはしやすく、すれ違うときにもぶつからないというわけです。同じ理屈で、織機の作業がしやすいので着物の布幅も1尺2寸になっているそうです。

最新の機械でも同じで、パソコンのキーボードも肩幅に合わせたものが使いやすいとのこと。

 

茶碗や汁椀の直径は4寸(約12㎝)ですが、これが手を上にして自然に広げたときの親指と中指の広さだそうです。また、箸の長さは「一咫半(ひとあたはん)」というそうで、咫は身長の十分の一のことですから、慎重160㎝なら160×1.5/10=24㎝が最も使いやすいそうです。

 

茶碗の場合は大きさだけでなく重さも重要で、現在は全国的に100g前後だそうです。重すぎるのはもちろん、軽すぎる椀も敬遠されることが多いようです。実は、ご飯をおいしく感じるには、左手に持った茶碗と米の重さとを、適度に意識することが必要なようです。

 

さて、重さの感覚は年を取るにつれて鈍くなるものの代表です。食事の味に気を配らなくなるのは、手のひらで重さを見分ける力が衰えているのかも知れません。