自分のなかでも戦争というものが遠い歴史になっているのだという思いを少し持ちました。
遺族会の活動について話を聞く機会がありました。
私のなかでは、遺族=遺児というのが、当然のイメージだったのですが、遺族会が結成された当時は、戦死された方が既婚の場合は遺族=妻(未亡人)であり、未婚の場合は遺族=親(特に母親)でした。
確かに、戦死された方の多くは若者から壮年ですから、子供がいない人も多いですし、いても幼い子供だったのが大半です。遺族として遺児が活動できるわけありませんね。こんな当たり前のことに驚いたことに、驚いています。戦争は遠い歴史のことのように感じられています。
日本遺族会の目的は、「国の礎となられた英霊顕彰をはじめ、戦没者の遺族の福祉の増進、慰藉救済の道を開くと共に、道義の昂揚、品性の涵養に努め、世界の恒久平和の確立に寄与すること」となっています。
息子や夫を戦争で亡くされた婦人の思いを汲み取って、英霊を顕彰して、生活を救済するということは大切なことです。
かつて遺族会には、親会・妻会・遺児会という分科会のようなものがあったそうです。
既に親会に属する人はほとんどおられないでしょう。妻会でも、ごく限られた人数になっています。そして、戦後70年を経て、遺児も70歳を超えました。遺族会の会員も年々減ってきているようです。
戦争でより辛い思いをするのは、母であり妻である女性だと思います。
しかし、日本の女性は我慢強いので、そのことがきちんと伝わっていないように感じます。既に遅いのかも知れませんが、ごく身近な歴史から残さなければならないことや、学んでおくことはたくさんあります。