高齢者が交通事故の加害者になっていることが、しばしばニュースになります。
右のグラフは、交通事故の加害者になった人の年齢階層別の割合です。上が2016年で、下が10年前の2006年です。
2006年の全ての加害者のうちで65歳以上の高齢者は約12%でした。これが、2016年には全体の20%に増加しています。
75歳以上の後期高齢者が加害者となるのが7%にも上ります。とても無視できない割合です。
特に、高齢者が加害者となる交通事故の原因では、「運転操作不適切」が占める割合が高くて、凄惨な大事故につながるケースがあります。
さて、グラフは割合を示しているのですが、実はこの10年間で交通事故はほぼ半減しています。2006年は84万件だったものが、2016年は47万件ですから、2016年は2006年の57%です。
年齢階層別では、25歳未満は47%、25~44歳は50%、45~64歳は54%、65~74歳は89%、75~84歳は112%、85歳以上は213%(2.13倍)となっています。
若者の起こす交通事故が減っているのは若者人口そのものが減っていることもあります。逆に、高齢者人口(同時に高齢者の免許所有人口)が増えたことで高齢者の起こす交通事故が増えているという要素もあります。しかし、人口比でも高齢者の事故発生率は高くなっています。
そこで、高齢者向けの交通教習が行われているのですが、そのテキストがちょっといただけません。先ず、字が小さすぎます。また、文章が長くて、量も多く、しかも漢字が多すぎます。
このテキストを読んで理解できる人は、おそらく事故を起こさないと思います。報道されるような高齢者の事故を無くそうと考えるのであれば、教習の方法を考えないといけません。
もっと、提供する情報量を思い切って減らしていくべきでしょう。
クルマ側の安全装備を充実させるという考え方もありますが、全てのクルマが同じ装備にならないと、その複雑な安全装備の使い方を間違えて事故になりそうな気もします。
まぁ、私たちもそう遠くないうちに高齢者の仲間入りです。加害者になりたくなければ、少しでも運転が怪しく感じたときには、早めに免許返納することでしょうね。