老齢基礎年金の受給資格期間が従来の25年から10年に短縮されます。
民主党政権時代に「社会保障・税一体改革大綱」が決定されて、これに沿った年金制度改革関連法が成立しています。このなかに、年金機能強化法も含まれています。この法律によって老齢基礎年金の受給資格期間が10年に短縮されるわけです。無年金者の発生を抑えるというのが目的です。
まぁ、もともと25年というが極端に長かったわけで、ようやく見直されました。諸外国では数カ月の加入でも受給資格がある国もあります。これはさすがに社会としての費用対効果でマイナスになると思われるのでどうかと思いますが、25年は長すぎました。
ここで、ちょっとおさらいなのですが、基礎年金の2分の1は国庫負担、つまり国に納付した税金で賄われています。平成15年度までは3分の1だったものが、段階的に引き上げられました。平成25年度までは、剰余金や国債などに頼っていましたが現在は消費税増税などよって、安定財源として確保されています。
簡単言えば、年金は半分が年金保険料で半分が税金によって支払われるということです。以前も書きましたが、年金に加入していない(年金保険料を負担しない)と、本来支給されるはずの税金分も手に入らないので損です。
また、自営業者(1号被保険者)が何らかの事情で収入が減少して、年金保険料を支払うのが困難になった場合には「免除申請」ができます。免除申請が通れば、年金保険料は納めませんが、年金受給資格期間にはカウントされます。この状況(年金保険料を払わないま、)10年(8月からは10年)が経過したなら、基礎年金の受給資格が発生します。そして、本来の基礎年金額の2分の1(国庫補てん分)が支給されることになります。
年金保険料を納めていなくても、税金分はお支払いしますというわけです。万が一、必要ならば免除申請をしましょう。
次に自営業者(1号被保険者)にちょっと有利な付加年金というのがあります。何故、こんな少額のサービスがあるのかは不思議ですが、あるものは使いましょう。
この制度は、毎月400円払ってくれたら、65歳になったときから、年間「200円×加入月数」を支給するという制度です。例えば、毎月400円×240月(2年)=9万6千円を付加年金保険料として納付したとすれば、65歳から毎年200円×240月=4万8千円を亡くなるまで支給するということです。物価上昇がなければ、2年生きたら元が取れます。
年金制度は、全ての国民に不平等が無いようにという考え方で設計されているので、複雑でややこしいです。一方で、ちょっと、勉強するといいことが見つかるかもしれません。