事業承継はやっぱり親子間がいい

事業承継では、近年は親族外承継の割合が急速に増えていますが、中小企業や小規模事業者の場合は、やっぱり親子間承継がいいなぁと思うケースは多いです。

 

中小企業・小規模事業者の廃業理由
中小企業・小規模事業者の廃業理由

廃業の理由で多いのは、「最初から自分でやめる予定だった」が全体の4割弱を占めて1位です。まぁ、そういうケースは多いので当然でしょう。

 

2位は「事業に将来性がない」です。全体の3割弱になります。これは寂しいことですが、事業環境の大幅な変化などあって、仕方ないですね。

 

3位~5位は、まとめれば「後継者がいない」です。これで残りのほぼ3割を占めます。

とりわけ、3位の「子供に継ぐ意思がない」で13%ですから、7.5者の一つという割合になります。この答えは、親としては事業を子供に継いでほしいのだが、ままならないということです。

 

そこで、近年では親族外、特に第三者に対する事業引継ぎが増えています。事業価値がある事業者が廃業や休業するのは、大きな損失ですから第三者承継は大いに価値があります。

しかし、地域や従業員のためには親子間承継は好ましいことも事実です。何と言っても、承継に正当性がありますし、ヒト・モノ・カネ・情報・顧客・人脈などを時間を掛けて丁寧に継承できます。

 

但し、承継の主体はあくまでも引き継ぐ側の子供さんになります。子供さんが引き継ぎやすいような環境整備にじっくり取り組むことが大切です。日本には、世界で最も多くの長寿企業がありますが、ほとんどが親子間承継を続けているファミリー企業です。

経営を、タスキを引き継ぐ駅伝競走のようなものだと、親子ともに真摯に考えていくことができるなら、大きな幸福が待っています。