山口県内企業も人手不足が続いています。最近は、沖縄を含む九州や山陰地方出身の方を採用したという話を耳にします。
地方の人手不足というのは、東京一極集中が大きな要因です。
「保育園落ちた。日本死ね!」でもわかるように、東京一極集中は問題があります。保育や教育をはじめ、防災、医療、政治などでも好ましいとは言えません。
一方で、経済効率や経済成長という意味では、経済大国日本が維持できるのは東京一極集中が貢献しています。
右にグラフを載せてみました。転入超過は、1962年(集団就職など)、1987年(バブル経済)、2007年(経済回復)の山があり、足下も増加傾向にあります。2020年の東京オリンピックまでは、増加傾向が続きそうです。
しかし、よく見ると転入超過は転出の減少という側面が大きくなっていることが分かります。
さて、問題は東京オリンピック以降のことです。オリンピックまでは東京圏に投資が集中(新しい保育園もたくさんできそうです)して、転入超過が続くとしても、その潮目を、2020年以降の早い時期に逆転させられるかどうかが、将来の日本が豊かな国になれるかどうかの決め手です。
この5年間の日本の名目GDP成長率はおよそ1.8%ですが、このレベルの成長率を維持できれば日本人の生活実感としては豊かさが増します。
2016年の名目GDP:536.8兆円の1.8%は10兆円ですから1億人で分けると10万円です。一人当り毎年10万円収入が増えるなら、満足できるレベルと思います。
中国政府は、経済成長率の目標を6.5%に設定していますが、一人当り毎年10万円収入を増やすには足りません。
現在と同じレベルの成長率を、弊害の大きい東京一極集中の進行を抑えながら、つまり東京圏から大阪圏・名古屋圏を含む地方への転出者を増やしながら、維持していくことが大切でしょう。
今の地方には人数の受け皿はあるのですが、東京圏ほどの整備されたインフラがないのも事実です。国の施策に期待するところも多いのですが、地方は地方で努力することもたくさんありますね。