事務所の不快指数と炭酸ガス濃度をはかる

今日、当地は時折非常に強い雨になっています。厚東川ダムの貯水率が30%まで下がって、自主節水中ですから、一応は恵みの雨と言えます。JRはちょっと遅れましたが・・。

 

本格的な夏を前にして、事務所の冷房設定温度が28℃では高すぎるという議論があります。ここでいう温度は乾球温度です。

このブログでは、工場作業のときは乾球温度ではなく、WBGT(湿球黒球温度)を目安にするという記事を書いたことがあります。単に温度計の値ではなく、湿度や気流なども考慮して快適な事務所環境をつくりたいものです。

☞ 2015/07/31  WBGT(湿球黒球温度)で作業管理をする

 

WBGTより馴染みに深いものに「不快指数」というのもあります。

不快指数の求め方は、『0.81×乾球温度+0.01×湿度×(0.99×乾球温度-14.3)+46.3』となります。乾球温度と湿度が高いほど値は大きくなります。不快指数77で不快を感じる人が出始めて、85を越えるとほぼ全員が不快になるそうです。

 

暑いなぁ
暑いなぁ

仮に乾球温度が28℃の場合の不快指数は、湿度が30%ならば73、湿度50%なら75、湿度80%では79となります。逆に計算すると、28℃で不快指数77になるのは湿度70%です。つまり、湿度を適切に調整することで、快適性は決まります。

 

不快指数を演算して表示する計器はたくさん売られています。「”はかる”と”わかる”」とも言いますから、事務所に不快指数計を設置するのは好ましいと思います。

 

事務所の冷房で、省エネになる運用は、屋外の暖かい空気を室内に取り入れず、室内の冷たい空気を屋外に逃がさないようにすることです。当然ですね。

ところが、ここで問題になるのは室内の炭酸ガス濃度の上昇です。人は、呼吸によって炭酸ガスを放出しますから、閉鎖された事務所内の炭酸ガス濃度は少しづつ上がっていきます。

 

実は、これまで気にしたことがなかったのですが、たまたま今日、炭酸ガス濃度の測定をしていたのを見ました。かなり大きな室内で、人数も多くはなかったのですが、気密性のよい新しい建物だったからか、炭酸ガス濃度が900ppm近くもありました。ビックリしました。

 

自然の状態での炭酸ガス濃度は、毎年上昇していますが、現在は概ね400ppmくらいです。

☞ 2016/06/01 恐ろしい!二酸化炭素濃度が400ppmを突破

 

労働安全衛生法と事務所衛生基準規則で事務所内の炭酸ガス濃度は5000ppm以下と決められています。また、空調の吹き出し口では1000ppm以下というのが基準です。

ちなみに、炭酸ガス濃度を基準にしているのは、炭酸ガスそのものが(このくらいの濃度で)危険というわけではありません。5000ppmは0.5%のことですが、人の呼気中の炭酸ガス濃度は3.8%くらいです。

 

炭酸ガス濃度は室内の換気の目安です。換気が不十分であれば、例えば病原菌とかカビなどが増えて疾病の原因になったり、チリやホコリなどが増えてアレルギーの原因になったりします。一般には、事務所の炭酸ガス濃度は1000ppmくらいを上限にコントロールするのが、良いでしょう。

 

省エネに邁進するのは、地球の為にも経済的にも好ましいのですが、健康のほうが優先されます。気密性の高い事務所であれば、炭酸ガス濃度計(1万円台からあります)を置いて、計測しながら管理するべきかも知れません。