TPPの導入がきっかけになった制度です。とても手厚く農家を守る制度です。
農業経営者向けの収入保険制度は、再来年(2019年)からの導入が予定されています。TPPの批准を見据えた、新たな農業経営のセーフティーネットです。TPPが発効しなくても、こちらは予定通りです。
現行制度としては、農業災害補償制度というのがあります。
これは、自然災害による収量減少が対象であり、販売価格の低下などは対象外になっています。うまり、自由化で海外から輸入された農産品が好評で顧客を奪われ、自社の売上が大幅に減少した、あるいは販売価格を下げなければならなかった、というのは対象外です。
また、補償対象品目が収量確認の容易な農作物に限られており、葉物野菜(キャベツや白菜)や花き等が対象外となっています。農産物で対象になるのは、全体の60%くらいです。
そこで、品目の枠にとらわれないで農業経営全体をカバーする目的で収入保険制度が設計されました。収穫量に関わりなく、農家の収入が減ったら補填するというシンプルな仕組みです。
収入保険制度に入りたい事業者は、年商の2%くらいの保険料を支払います。但し、国が保険料の50%支援するので、実質は1%です。
農業者の売上高が減少した際には、基準売上高の9割を下回った分の9割を補填するという制度です。ちょっと判り難いので例にすると・・
[原則です・・いろいろ例外があります]
農業経営者の過去5年間の平均売上高を基準売上高にします。仮に1000万円とします。
年間10万円の保険料を支払って収入保険に加入します。何かの原因(自然災害以外の要因でも構いません)で、売上高が800万円に下がったとします。
そうすると、基準売上高の9割(900万円)を100万円下回っているので、この9割に当たる90万円が補填されるので、実質的な収入は890万円になります。
また、もし大きな自然災害が襲来して、売上高がゼロになったとします。この場合では、900万円全額の9割で810万円が補填されることになります。
結構、凄い制度で、農業者に対する支援は手厚いです。
詳しくは農林水産省のサイトをご覧ください。
☞ 「収入保険制度の導入及び農業災害補償制度の見直しについて 」