値段を上げるとお客さんが減る。安いほうがたくさん売れる。それはそうですが、勘違いしている人が多いです。簡単な理屈なので、合理的な値段の決め方を理解しましょう。
例えば、あなたが繁華街でレストランを経営しているとします。
休日のランチメニューに、和風ミニ会席を新しくつくりました。原材料費など比例原価は500円です。調べてみると、100人くらいのお客さんが見込めます。いくらの値段に設定すればよいでしょうか?
店舗やスタッフには十分な余裕があり、追加注文や夜の集客効果とか、他の要素は考えないものとします。
最初に、価格が安いほどお客さんが増えるというのは正しいのですが、右のグラフのようにはなりません。100人の見込客がいて、タダなら全員で、少しでもお金を頂戴するなら注文しないというのではないですね。
普通は2番目のグラフのようになります。
休日の繁華街を訪れてショッピングを楽しんでいる方が対象です。写真のメニューだったら、800円と値段設定すれば全員が注文しそうです。
もし、800円以上の値段設定をしたらどうなるでしょうか?お客さんにヒアリングしたり、店のスタッフの経験を元に考えると1000円ではお客さんの90%は注文するだろう。2000円でも40%は注文するんじゃないだろうか?ということになりました。
それでは、そのときの売上高は3番目のグラフです。100人のお客さんに800円で提供すると8万円の売上高です。
しかし、1400円に設定して70人のお客さんであれば9万8千円になります。
粗利益で考えれば(原価が500円です)、800円で100人なら3万円の粗利益です。
1400円で70人なら6万3千円になり、1650円で58人なら約6万7千円です。
今は粗利益だけを考えていますが、お客様の数が増えれば固定費もかかります。スタッフの仕事も大変になります。
この場合の合理的な値段設定は1650円が下限で、実際はもう少し上の価格になります。
経営者の多くはお客さんを増やしたいと考えて価格を下げようとします。そうではなくて、利益を増やしたいと考えれば、価格設定は変わってきます。