兄弟山は「おとどいやま」と読みます。兄弟(あるいは兄妹)を「おとどい」と読むのは山口県や島根県、愛媛県、高知県などです。平安時代の言葉がこの辺りに残ったそうです。
山口県庁の南にあるのが鴻ノ峰山でその隣が兄弟山です。山口にある大内時代の館は、現在の県庁より少し北東、現在の野田神社の辺りにありました。
鴻ノ峰山は西の京:山口の南の守りを担う位置にある標高338mの山です。山頂には大きな曲輪が設けられていました。鴻ノ峰城あるいは高嶺城、鴻之峯城などと書かれます。読み方は全部「こうのみね」で同じです。
登ってみてわかるのは、城の規模がかなり大きくて、堅牢なことです。大内から毛利に代が替り、吉川一門の市川経好の手で城は増強されます。その後、大内輝弘が大友宗麟の支援を受けて、山口に攻め込み鴻ノ峰城を囲んだことがあります。城主の市川経好と主な家臣は九州に出陣しており不在だったのですが、夫人とわずかな城兵だけで守りきることができました。
その後、関ケ原に敗れた毛利に対して、廃城の命令がでます。今では城としての遺構はほとんど残っていませんが、苔むした石垣は、当に「兵どもが夢のあと」を実感できます。
鴻ノ峰山から谷筋を挟んで、兄弟山があります。兄山で高さ253mの小さな山ですが、おとどい山森林公園として遊歩道なども整備されていて、市民の健康づくりに貢献しています。但し、遊歩道は兄山の頂上にはつながっていません。頂上までの標高差60mは直登で結構しんどいです。
簡単なお勧めコースは、維新の志士:木戸孝允(桂小五郎)を祭る木戸神社あるいは木戸公園にクルマを停めて、兄弟山と鴻ノ峰山を気ままにハイクして、2~3時間でしょうか。低い山ですから、眺望を楽しみながら歩くというわけにはいきませんが、木々に覆われた森林浴ができて、日差しは気になりません。気分転換や健康つくりには最適です。
「おいでませ山口へ」