メーデー「ディーセントワークの実現」ってなんだ?

5月1日の「メーデー」も遠くなりました。今年も中央大会はGW初日の4月29日に開催されました。

 

昨年も同じようなことを書いたのですが、今となっては、メーデーはマイナーなお祭りイベントに過ぎない感じです。「メーデー」とは何かは、昨年のブログを参照ください。

☞ 2016.5.1 メーデーが盛り上がらない

 

日本の第一回メーデーは、大正9年(1920年)5月2日に開催されました。今年は、第88回メーデーです。勘の良い方は気づかれましたか? 今年は、2017年ですから98年目に当たります。1936年から終戦の1945年までの10年間は戦時のためにメーデーは禁止されていました。

 

メーデーは、労働者の祭典です。先ずは労働者とは何か?です。働く人が労働者ではないことに注意が必要です。定義としては、「事業に使用される者で賃金を支払われる者」です。

中小企業の経営者や自営業の方、一般の農家の方や家事を担う主婦などは労働者ではありません。労働者とは雇用者に近いですね。実は、第二次大戦までの日本では雇用者はそんなにたくさんいなかったのです。

 

終戦直後は、都市は焼け野原になっていて、工場など生産施設は破壊されていました。優良な労働力になるはずの健康な若い男子では戦死した人も多く、一方で戦後のベビーブームで子どもはたくさん生まれました。物資の需給バランスは崩れて、戦後の4年間で消費者物価は80倍という強烈なインフレになっていました。メーデーどころでもありません。

 

日本でメーデーが定着したのは、戦後になってGHQの指導の下に労働組合が結成されるようになってからです。労働力調査の最も古い統計は昭和28年(朝鮮戦争終結後)ですが、雇用者は1660万人で就業者(3910万人)の42%です。平成27年の日本の就業者は6430万人で雇用者は5730万人(89.1%)ですから、ずいぶん変わってきました。

  

2017年メーデー
2017年メーデー

前年の昭和27年は、賃上げや待遇改善を求めて労働争議が頻発して、ストによる労働損失日数が年間1500万日という強烈な時代でした。この年のメーデーが「血のメーデー」です。

 

 あれから65年を経過して、今年のメーデーのテーマは「ディーセント・ワーク(Decent work)の実現」です。「まともな」「きちんとした」仕事、つまり、”働き甲斐のある人間らしい仕事”の実現ということだそうです。

1999年に国際労働機関(ILO)が21世紀の目標として決定したものですが、ちょっと、何のこっちゃ?ですよね。

なかなか難しい時代になってきました。