昭和の日「雑草という草はない」

今日は「昭和の日」。「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日だそうです。昭和天皇の誕生日です。

 

昭和天皇は、明治34年(1901年)4月29日10時10分に東宮御所でお生まれになりました。称号は迪宮(みちのみや)・諱は裕仁(ひろひと)。

11歳で皇太子となり、20歳で摂政、25歳のときに大正天皇の崩御を受け124代天皇となられました。このときに昭和と改元されたわけです。米国と英国に宣戦布告して太平洋戦争が勃発したのが40歳で、ポツダム宣言受諾によって終戦したときは44歳です。

戦後復興のエポックでは、63歳のときに東京オリンピック開会宣言、68歳で大阪万博を迎えられ、ベルリンの壁が崩壊した昭和64年(1989年)1月7日午前6時33分に87歳で崩御されました。

 

宝島社「昭和天皇 100の言葉」
宝島社「昭和天皇 100の言葉」

昭和天皇は生物学者としての側面を持っています。学術的な価値はよくわかりませんが、微生物から植物、更に専門の海洋生物まで広く知見を持たれていたのは確かです。

昭和天皇の「雑草という草はない」という言葉は有名です。

 

「昭和天皇 100の言葉」の第5章(自然と人)から引用します。

「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決め付けてしまうのはいけない。」

「雑草というのは、人間のエゴからつけている呼び名である。かわいそうだよね。

猛獣という言葉もあるけど、ライオンやトラから見たら、一番の猛獣はあるいは人間かもしれないね。」

 

皇居の庭園でもむやみに除草することを好まれなかったそうです。戦前のことですが、吹上御所にあったゴルフ場を閉じて森に戻されたりしています。釣りや狩猟を趣味とすることも、内心では好まれなかったとのことです。もちろん、昭和天皇はその立場がありますから、そういうお言葉を出されたことはありません。