お金ができると一枚だったシャツを二枚にして・・と消費が増えるのでゴミも増えます。
OECD加盟国のデータでは、右のようなグラフが描けます。
横軸がUSD建ての一人当たりGDPで、縦軸が年間の廃棄物排出量です。最新データの年度が少しばらついていて、2013年~2015年が混ざっています。
まぁ、概ね豊かな国ほどゴミが多いという結果になっています。
そのなかでは、日本は豊かさの割にはゴミの発生量が少ない国です。それでも、一人1日当たり940gほどのゴミを出します。
ゴミの発生量が多いのは例によってアメリカですし、ヨーロッパではドイツ・オランダ・デンマークなどの国々です。
あれ、アメリカはともかく、ドイツやオランダは環境先進国でゴミは出さないように思われますよね? その通りで、このデータはゴミの発生量で、最終処分量ではありません。
2015年度の日本のデータで説明します。ゴミの総排出量は年間4400万トンにもなります。一人1日940gを積み重ねた結果です。但し、この量を埋め立て処分することは日本の狭い国土では不可能です。
このゴミのうち900万トンはリサイクルに回ります。廃品回収などの集団回収だけでも240万トンになります。その他のゴミは、焼却などの減容化処理をおこなって、最終処分されるゴミは417万トンに減ります。
日本では、ゴミ発生量は年々減っています。10年前の一人当たりゴミ発生量は1130gだったのが940gになりました。リサイクル率も上がっているので、最終処分量は10年前の732万トンから300万トン以上減っています。最終処分場が足らなくなることはありません。
そうはいっても、ゴミ問題の最も賢い解決策は、リサイクルではなく発生量を減らすことです。現在まで、日本で一人当たり発生量が減っているのは、景気の先行き不透明感から節約志向が定着したことと、高齢化が進んで消費意欲が減退していることが主な要因とは思います。
今後、景気が一層回復したとしても、モノを捨てないスマートな生産、流通、消費を定着させていくことはとても大切です。