千葉県の女児殺害事件の容疑者として通っていた小学校の保護者会会長が逮捕されました。
日本は国際的な比較でいえば治安が良くて犯罪が少ない国です。また、大雑把にみれば、治安は悪化しておらず、更に良くなってきているともいえます。
しかし、子どもに対する犯罪はあまり減っていません。右のグラフは犯罪白書のデータから、今回の事件の背景にありそうな小学生以下に対する暴力的性犯罪事件認知件数を並べたものです。平成27年が減っているのですが、それまでのトレンドは横ばいから微増に見えます。
この10年間で12歳以下人口が約10%減少していることを考えると危険は増していると言えます。
今回の事件でもそうですが、不審者という固定概念を棄てなければいけないようです。
普通は、保護者会会長(≒PTA会長)が不審者とは思えませんし、教師や警察官による犯罪のニュースも見ますし、女性による犯罪、子どもが起こす犯罪もあります。サングラスを掛けて、マスクをして、帽子を目深にかぶった人というわけではありません。
さらに、「知らない人に近づかない」という鉄則も当てになりません。学校行事で挨拶したり、毎朝の見守りをしている人なら話をしたことがなくても「知らない人」ではなかったでしょう。小学生の必須アイテムである防犯ブザーも使うチャンスがなかったかも知れません。
それでは、どうするのかですが「できるだけたくさんの大人の目で子供を守る」ということだと思います。見守りは、保護者の皆さんの活動が中心になるとは思います。警察など公的機関、ときには警備会社への依頼することもあるでしょう。
しかし、少子高齢化のなか、地域のシルバー層の活躍にも期待したいところです。また、ペットを飼っている人の散歩や、ジョギングしている人など、いろいろな人が目を向けることが大切だと思います。
中小企業者も地域に根差した存在として、できることはないか考えてみたいですね。
例えば、小学校の登下校の時間帯に道路に目をやる活動などできないでしょうか?朝の登校時は難しくても、下校の時間帯に外回りの掃除時間を合わせるとか、玄関のプランターに水をやるとかです。会社によっては、ワークライフバランス改善を含めて、始業時間を早めることも効果的かも知れません。無理のない範囲で取り組んでみるといいなと思います。