省エネで利益を出していくのは簡単!

あるセミナーで、「単なる省エネで効果を上げることは難しい」というお話がありましたが・・?

 

これは現在の日本では明らかに間違いです。現在の日本では、事業者さんが省エネに取り組むことは簡単です。また、省エネによって利益を出せる可能性はかなり高いです。そして、省エネで得た利益は純利益ですから、苦労して営業して売り上げを増やして得た利益より価値が高くなります。

営業利益率5%の会社で年間100万円の純利益を上げようと思えば、2000万円以上の新たな売り上げが必要です。もちろん100%保証はできませんが、省エネで年間100万円の利益が出すほうが容易な場合は多いです。

 

さらに、現在の地球環境問題の最大のテーマ(恐らく過半を占めるテーマ)は地球温暖化問題です。そして、日本においてはこの問題はエネルギーをつくるための燃料の使用による炭酸ガスの排出とほぼ同義です。つまり、省エネは地球環境問題に対する最も適切な取り組みです。

また、東日本大震災の際の津波による福島第二原発事故をきっかけに原子力発電のリスクが明らかになりました。しかし、現時点で稼働可能な原子力発電所を停めて、新たに温室効果ガスを排出する火力発電所をどんどん建設していくのは賢明ではないでしょう。

一定レベルの安全が確認された原子力発電所は稼働させながら、省エネを進めることで電力需要を減らしていって、古くなった(リスクが発生した)原子力発電所から順次廃止していくのが環境と経済に対して合理的な施策です。ネガワット発電所という考え方です。

 

省エネを達成するためには、最初にエネルギーの使用量や使用設備など現状を知る必要があります。この計測技術や装置が改良されて安価で高性能になっていますから、少し前とくらべて圧倒的に容易です。

省エネに対応した装置やシステムの開発状況も同様です。LED照明やエコカーばかりが注目されていますが、受電設備や配線・端子などの地味なものから、空調や給湯などのインフラ系、燃焼装置や保温保冷技術など生産系まで大幅な改善が達成されています。これらの省エネ技術は、日本が世界をリードしていますから、事業者は最高品質の設備が手に入ります。

 

省エネ技術を磨いた工業大国日本には非常に多くの省エネ専門家がいます。専門家の多くが企業内にいるので実数は不明ですが、国の資格であるエネルギー管理士の取得者ですら5万人を超えています。電機管理者、電気工事士などの資格なども合わせると、こんなにエネルギー関連技術者の層が厚い国は他にありません。

 

このため、省エネについての相談をすることも、コスト削減の計画を立て実行することも容易で、多くの場合は支援制度を使って安価に(ときにはタダ)おこなえます。設備投資においても各種の補助金・助成金があります。事業者が省エネに取り組むことは、事業者の営利だけでなく、社会の利益になるので財政的支出には合理性がありますから、遠慮することはありません。

 

現在では省エネは簡単です。生産性の向上や品質の改善につながります。会社に純利益が残ります。さらに世の中の役に立ちます。「省エネ経営」を進めて行きましょう。