平成29年度 中小企業関係予算のポイント

平成29年度が始まりましたので、中小企業関係予算について解説してみます。

 

年度初めなので、中小企業診断士らしい記事も掲載してみます。

 

第二次安倍政権は平成24年12月発足ですから、これで5回目の予算編成ということになります。政権の基本的な政策に対する考え方が変わらないので、中小企業関連予算の内容も大きくは変わりません。中小企業庁がポイントをまとめています。

 

 

右上の囲みで「過去7年間で最大」とありますが、経産省関連予算が前年度の1,111億円から1,116億円に5億円増えていることを示しています。政府全体の中小企業対策費は前年度より15億円減っています。

とは言っても、「4.災害からの復旧・復興」の予算が、東日本大震災からの復旧・復興が進んでいることから約100億円(経産省関係では約75億円)減っていますので、中小企業対策そのものは前年度より厚くなっています。

 

「1.経営力強化・生産性向上に向けた取り組み」は、前年度とほぼ同額の予算が計上されています。特徴としては、海外展開戦略支援事業が前年度の14.3億円から23.9億円と大きく増加していることです。中小企業の海外販路開拓を支援していこうという考えです。

 

「2.活力ある担い手の拡大」は、よろず支援拠点・再生支援協議会・事業引継ぎ支援センターなど従来の施策に加えて、創業・事業承継支援事業が新規に11億円の予算がついています。特に、事業承継ニーズの掘り起こしと早期の準備を促していこうという考えです。

 

「3.安定した事業環境の整備」では、昨年度中に消費増税が延期になったことを受けて、消費税軽減税率対応窓口相談等事業が新規19.4億円計上されています。アメリカの政権交代の影響など、消費増税を巡る動きははっきりしないので、対応は難しいところです。

 

つまり「海外戦略」「事業承継」「消費税」の3つが今年のポイント(変化点)です。