国会では法律案にいろいろな通称がつきます。カジノ法案とIR推進法案は同じものです。
正式には、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」です。
”特定複合観光施設区域”を、”IR(Integrated Resort)”、日本語で言えば「統合された行楽地」とするか、その中心施設である”カジノ”とするのかで言い方が分かれました。
この場合、野党側が”カジノ”というのは、この言葉に悪い印象を持つ国民が多いと予想したからでしょう。ただ、この戦略はあまりうまくなかったようです。
日本にはカジノはありません。カジノと聞いて連想するのは、ラスベガスやモンテカル
ロなどで、セレブが集うゴージャスな雰囲気です。むしろ、IR法案のほうが訳が分からないので、変な英語の略称でなく”行楽地”法案とか”遊興地”法案といったほうが、勤勉な日本人には反感を買ったかもしれません。
さて、この議論の中で「ギャンブル依存症」という問題がクローズアップされました。それにしても、何でもかんでも病気にするのはいかがなものかと思います。残虐な犯罪を犯した人を精神鑑定して「・・症」という人格障害であると診断して意味があるのだろうか?まぁ、何らかの人格障害がなければ、今の時代には人を殺めたりはできないですし。
ギャンブル依存症は「病的賭博」というものです。厚生労働省が、日本にはギャンブル依存症の人が536万人いると推計していると言われています。男性の11人に一人、女性の55人に一人が「病的賭博」という病気だそうです。
そんなアホな!と誰でも思うわけですが、この数字が独り歩きしています。
厚生労働省の調査は、以下のような12の質問に答えることで実施されたそうです。
1、ギャンブルの負けを取り返そうとしてまたギャンブルをしたことがあるか。
2、ギャンブルに負けたのに、勝っていると嘘をついたことがあるか。
3、ギャンブルのために、何か問題が生じたことがあるか。
4、意図していた以上にギャンブルをしたことがあるか。
5、ギャンブルについてまわりの人から非難されたことがあるか。
6、ギャンブルに罪悪感を感じたことがあるか。
7、ギャンブルを止めたいと思ったことがあるか。
8、ギャンブルをしたことを身近な人に隠したことがあるか。
9、ギャンブルについて、身近な人と口論になったことがあるか。
10、ギャンブルのために、お金を返せなくなったことがあるか。
11、ギャンブルのために、仕事や学校をさぼったことがあるか。
12、ギャンブルの借金を返すために、新たに金を借りた経験があるか。
この質問のうち4つ以上にYESがあれば、あなたは「病的賭博」の可能性があります。
う~ん。なるほど、これなら536万人は正直者というだけかも知れません。