アメリカとメキシコとの間の壁、建設費は2.4兆円という試算だそうですが・・?
気になっていることがあります。
アメリカとメキシコの間の国境というのは、西半分は陸地に直線で引かれているのですが、東半分はリオ・グランデ川に沿って引かれています。
もしかしたら、西半分は壁を一つ作れば足りるかも知れないのですが、川に沿った国境線はやっかいです。川の真ん中に壁はできないので、両岸に壁をつくるしかありません。
そうすると、リオ・グランデ川にはアメリカ人もメキシコ人も簡単には行けなくなるわけです。この川の水は、農業をはじめとする産業や、都市生活へ使われているはずですから、どうやって管理するのでしょうか?
上の画像が、アメリカとメキシコの国境線ですが、太平洋岸からエルパソまでは直線的に引かれています。エルパソからメキシコ湾までは、リオ・グランデ川が国境です。
このリオ・グランデ川の水を巡っては、アメリカとメキシコの間での紛争が何度もおこっています。そのなかで、1895年にアメリカ司法長官ハーマンが語った理論があります。
これがハーマン主義です。
ハーマン主義とは、「国際法における基本的な原則は、自国領域における国家の絶対的主権である。自国領域における国家の管轄は必然的に排他的、絶対的である。国際法の原則および先例はアメリカ合衆国に対し、いかなる責任または義務を課すものではない。」というものです。「国際的な天然資源のあらゆる法律のなかで、最も悪名高いもの」と言われています。
要するに、アメリカ国内を流れている川はアメリカのものだ。コロラド州からニューメキシコ州を流れる川の水は、どんなに使っても、どんなに汚しても他の国から何か言われる筋合いはない。っていうことでしょうか?
ハーマン主義は、最も悪名高いという評価が確立しています。地球上の天然資源は大切に分かち合うものであり、奪い合うものではありません。
今のところ、トランプ理論というような明確なものは確立されていない(何だか、フワフワしています)と思います。目が離せません。