移民の子として生まれながら、合衆国郵政長官、在フランス大使、ペンシルベニア州知事を歴任した人物の警句です。100ドル札の肖像に描かれています。
ベンジャミン・フランクリンは、1706年にイギリス移民の子としてボストンに生まれます。父のジョサイアは、ろうそく製造をおこなっていました。二度の結婚(英国から一緒に渡米した妻と死別後、米国で再婚)で17人の子どもをもうけ、ベンジャミンは(おそらく)15番目でした。
ベンジャミン・フランクリンは、10歳で教育を終えて印刷工として働きはじめ、17歳のときに二人の兄とともに、フィラデルフィアにやってきます。
その後、植字工として働いた金で、自分の印刷所をもちます。アメリカ最初の起業家と言われるフランクリンは、印刷業をおこないながら力をつけて、家庭用暖房器具を設計し、公共図書館をつくり、消防署を考案し、郵便局を設立し、メキシコ湾の海図をつくり、催眠術の研究に出資します。また、科学にも興味があって、雷の研究や避雷針の発明でも知られています。
その後、ペンシルベニア議会の代表となったフランクリンは、イギリスと植民地アメリカの交渉に関わるようになります。
1776年7月4日にアメリカ(当時は13州)はイギリスからの独立を果たします。フランクリンは、トーマス・ジェファーソンらとともにアメリカ独立宣言を起草した5人のうちの一人です。このとき、フランクリンは70歳。アメリカの初代郵政長官を務めていました。その後、在フランス米国大使、ペンシルベニア州知事を歴任した後、1790年に84歳の生涯を閉じます。
「偉大でいるということは、全ての人の義務だ!」
フランクリンは、才能も気力もないという人でも、たえまなく自己改革をすることで偉大になれる。人間は生まれつき善でも悪でもなく、偉大になるようにつくられた白紙だと考えます。
「自分は自分でつくるのだ」
自由を創造して繁栄していくアメリカでは、全ての人が品格もって生きて偉大な自分を自分自身でつくることができるのだと言います。
フランクリンは、毎朝「今日はどんないいことをしよう?」、毎夜「今日はどんないいことをしただろう?」と自分に問うことを習慣にしていました。
そして、日々、次の13の項目について自己評価を表に記録していました。この自己評価によって、自分が望む資質を自分自身で全て身につけたと言います。
フランクリンの13徳と言われるもので、1.節制 /2.寡黙 /3.規律 /4.決意 /5.倹約 /6.勤勉 /7.誠実 /8.正義 /9.中庸 /10.清潔 /11.沈着 /12.貞節 /13.謙虚 の13項目です。
ちなみに、フランクリンにとって、3.規律の自己評価が最も難しかったようです。
規律の評価は、”物はすべて所を定めて置くべし”(整理整頓ですね)と、”仕事はすべて時を定めてなすべし”(時間管理)という二つでした。
どうも、フランクリンといえど、時間を守ることには苦労をしていたようです。
さて、ドナルドの自己評価はどうなんでしょうか? 「Make America great again」へ向かうには、フランクリンの道のほうが広いような気がしています。
【参考:フランクリンの13徳・・wikipediaからコピペ】
- 節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
- 寡黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
- 規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
- 決意 なすべきをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
- 倹約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
- 勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
- 誠実 詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出だすこともまた然るべし。
- 正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
- 中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
- 清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
- 沈着 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
- 貞節 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これにふけりて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
- 謙虚 イエスおよびソクラテスに見習うべし。