意思決定に影響を与える「三つのバイアス」というのが知られています。
１．損失回避バイアス
人は利益の追求よりも、損失の回避に積極的になるというバイアスです。明日書きます。
２．正確度バイアス
人は事実よりも、パターンや結論を優先するというバイアスです。明後日書きます。
３．魅力バイアス
人は信頼性がなくてもプラスの印象に影響を受けるというバイアスです。
魅力バイアスにはいくつかのパターンがあります。
わかりやすいのは、「人は見た目で評価する」のです。きちんとした服装、美しい容姿、洗練された立ち居振る舞いの人の発言を信用します。
異性の間であれば、美しい人とそうでもない人では、信頼性が異なることがよくあります。美しい人は性格がよくて、能力も高いと、なんとなく誤解します。多くの不幸な恋愛や結婚の原因がここにあります。（天はあんまり二物を与えないものです。）
人事考課などで気をつけるように言われる「ハロー効果」も魅力バイアスの一つです。ある特定の業務に対して処理能力が高い人を、それ以外の業務もうまくやると評価することです。ときには、コンピテンシースキル全般に高評価を与えるなんてこともあります。
また、人は自分の主張や仮説に沿った情報を集めようするものです。どうしても、都合のよい情報や意見は採用しながら、都合の悪いものは無意識に棄却します。これを「確証バイアス」とも言うのですが、国単位で（意識的かも知れませんが）はまり込んでいる場合もあります。
人は、魅力的なものに惹きつけられるものです。魅力的な人が語る魅力的な話は、真実に違いないし、自分にとって正しいと思ってしまいます。
また、人は、お気楽な話に惹きつけられもします。難しい経済理論で説明されても、理解できない場合は、それは真実でなく自分のとって望ましくないと棄却します。
一方で、トランプさんが言うように、僅かの真実もない嘘っぱちでも、呑気に楽しき耳に入る言葉を真実と誤解します。
経営者の意思決定においては、三つのバイアスを正確に認識することが必要です。
余談ですが・・・
自動車の輸入関税がゼロの国は日本だけ（自国で自動車をつくっていない国は除く）です。
アメリカは2.5％・豪州は５％・EUは10％・中国は25％・・タイ80％、などの関税が掛かっています。