相撲協会と将棋連盟

初場所で大関・稀勢の里が初優勝して、横綱に昇進することが決定しました。

 

大相撲は、19年ぶりの日本人横綱の誕生で盛り上がっています。

武蔵丸・朝青龍・白鵬・日馬富士・鶴竜と5人続いた外国人力士(4人はモンゴル)に続いて、日本人横綱の誕生は喜ばしい限りです。

 

稀勢の里は頑健な力士で、中学卒業後すぐに入門して初土俵に上がって以来、15年間で自分の事情で休場したのは、平成26年1月場所千秋楽のただ1日だけです。

但し、平成23年の3月場所が八百長問題で開催されませんでしたので休場です。。

 

当時、稀勢の里は東の関脇で2場所連続二けた勝利(共に殊勲賞)していましたので、この3月場所が開催されていたら大関昇進が早まっていた可能性もあります。(稀勢の里は、開催された5月場所に8勝7敗。大関に昇進したのは、翌年の平成24年初場所でした。)

 

さて、相撲協会は公益法人ですから財務情報が公開されています。

直近の平成27年末の情報をみると、総資本436億円に対して自己資本365億円とピカピカのバランスシートのように見えます。

しかし、相撲協会は八百長問題などでずっと赤字が続いています。平成27年の損益は、収益115億円に対して経常損失約2億円です。遡って、平成20年末の自己資本は449億円ありましたから、経営的には苦しい状況が続いています。

 

相撲協会のガバナンスは、八百長問題からの本質的な改革はされないままで、運営は不透明なままです。昨年暮れには、春日山親方が師匠辞職勧告を受けて辞めるなど、統制は効いているとは言えません。日本人横綱誕生で、なんとなく相撲協会の改革は、今回も有耶無耶なままに収束しそうです。

 

一方の、将棋連盟のほうは、三浦九段へのカンニング疑惑問題で谷川会長の辞任が発表されました。連盟の役員や幹部である現役の有力棋士の言動には、大いに問題がありました。

統治するという意味では、新しい執行部をどうするのかは大きな課題です。相撲協会を反面教師として、外部招聘など抜本的な改革をするべきだと思います。

現役のプレーヤー(相撲協会は引退していますが親方として弟子を抱えたままですから現役と同じです)が、経営をおこなうというのは、問題があります。

 

将棋に対し、囲碁の日本棋院の総裁は今井敬(新日鉄)、理事長は團宏明(日本郵政)です。

相撲に対し、柔道の会長は宗岡正二(新日鉄)、剣道の会長は張富士夫(トヨタ)です。

これらの組織の統治が正常かどうかはよく知りませんが、やはりトップには現役プレーヤー以外を据えるほうがよさそうに思います。