”perfect human”とは両性具備者?

男女の違いを言うことは、憚られる時代です。極端から極端に振れるのは心配です。

 

世界経済フォーラム(ダボス会議を開催しているスイス発祥の団体)が発表した、男女平等度ランキングがあります。日本は世界144か国のなかで111位だそうです。要するに、日本は男女が不平等であるということで、批判あるいは非難の対象になっています。

 

欧米系のシンクタンクが発表するランキング的なものは、日本に対して過剰に厳しい評価をしているように思います。

 

経済・政治・教育・健康の4つの分野で評価していますが、少なくとも教育と健康の分野で日本の状況は、良い意味で世界で突出しています。

教育は識字率の男女比や就学率の男女比、健康は平均寿命の男女比などで評価しています。日本では、男女平等ではなく女性が圧倒的に優位にあるので、これが不平等だということなのでしょうか?

また、比だけで評価するというのもおかしなもので、初等中等教育の就学率が100%に近く、世界最高レベル(欧州各国をも凌駕する)の教育を男女ともに受けている事実が無視されるのも変です。

平均寿命も同じで、日本は世界1位(WHO加盟194か国中:2015年)の長寿国です。皮肉で言えば、女性(世界1位)に比べて短いとはいえ、日本人男性の寿命も世界トップレベル(6位)です。

 

経済の評価は管理職の男女比とか賃金の男女比が基準で、政治も議員や閣僚の男女比です。

どうも、この評価が低いということで世界111位だと貶められているのですが、あまり納得できないですね。

例えば、経済を自由に使えるお金をどれだけ持っているかという尺度で評価すれば、既婚・未婚を問わず日本の女性は男性より優位にあるでしょう。

政治的なパワーを議員や閣僚の数で評価するのもどうでしょうか?日本の女性は高齢者であっても政治的思想を明確に持っています。日本は完全普通選挙を導入して76年が経過しており、選挙での投票数は女性の方が多いのです。日本の政治家は、男性であれ女性であれ、中高年女性に支持されない限り当選しません。

 

さて、男女には生物学的に明確に違いがあり、同じ役割を果たすことは無い。と考え、認められた時代があります。一方で、男女には全く違いがなく、完全に同じ役割を果たす。と考え、認められた時代もあります。実際は、どちらも極端すぎて、中庸のところに真実があると思います。

 

ギリシャ神話では、男女両方の特性を持った両性具備者が人間の原型として登場します。

しかし、神様はそこから男女を分かったのですから、それぞれがパートナーとして尊敬し合い信頼し合って、社会をつくっていくのだと思います。そういう意味では、現代の日本は結構いい線いっています。

 

政治家の人数の男女比が同じだったらよいというのは、ギクシャクし過ぎです。たぶん、それは、よい社会というのと、ちょっと違うんだろうと思います。