糸魚川大火を繰り返さないために・・

新潟県糸魚川市の住宅火災は、約4万㎡・約150棟を焼損して鎮火しました。

 

昔と比べて、近年は火災の発生が少なくなっていると感じていました。

統計をグラフにしてみると、出火件数も焼損建物床面積も右肩下がりで減少しています。

 

 

焼損建物床面積が1995年に特異に増えているのは、阪神淡路大震災の際に神戸市で発生した火災によるものです。2011年(東日本大震災)も少しだけ異常値になっています。

2015年の出火件数は約3万9000件、焼損床面積は約103万6000㎡でした。

 

火災による死者は思ったほどには減っていません。2015年でも、死者1563人・負傷者6309人に上っています。

 

火災が発生した際の逃げ遅れが、高齢化の進展もあって増えているような気がします。

住宅用火災報知器の設置の義務付けなども効果は限定的なのかも知れません。

 

さて、1件の火災で焼損面積が3万3千㎡(1万坪)を超えるものを「大火」というのだそうです。

 

1950年代には、16件の「大火」が発生しています。この10年間で最も大きな被害が出たのが「鳥取大火(1952年4月17日)」でした。

次の1960年代には、10件の「大火」があり最大は、長崎県の五島列島姫島で発生した「福江大火(1962年9月26日)」でした。

1970年代の「大火」は1件に減りましたが、それが「酒田大火(1976年10月29日)」です。1980年代も1件、1990年代は6件ですが全てが1995年1月17日に神戸市長田区でおこっています。2000年代は1件、2010年代は糸魚川大火を除くと2011年3月11日の岩手県山田町での火災です。

 

このように大規模火災を防ぐ対策が取られて、大火の発生は減っているのですが、糸魚川大火は起きてしまいました。フェーン現象による乾燥した強風での飛び火という不幸もありましたが、何らかの教訓を得る必要があります。

 

日本には木造住宅密集地がたくさんあります。例えば空き家や商店街などの空き店舗の対応は防火の観点からも進めるほうがよさそうです。