天皇誕生日 ・・ 今年の御言葉から(2016年版)

今日は今上陛下の83歳のお誕生日です。3年連続になりますが、今年の晩さん会の御言葉を紹介します。

 

今年の天皇陛下の御言葉といえば、8月8日に象徴としてのお務めについての御言葉がありました。

政府が設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」で議論が続いています。憲法がどうしたとか、政府の関与がどうしたとか、一見議論は白熱しているようですが、蝸牛角上の争いという感は否めません。今上天皇が自ら譲位の意向を示されたのですから、粛々とその手続きをとればよいだけだと、素直に思います。

 

さて、今年国賓としてお迎えしたのは、ベルギーのフィリップ国王(10月)・シンガポールのタン大統領(11月)のお二人です。ちなみに、フィリピンのドゥテルテ大統領の来日(10月)は公式実務訪問で国賓ではありません。

 

ベルギー国王との晩さん会で、天皇陛下は明治維新における日本の近代化にベルギーが手本になったことを感謝されています。日白の国交は1866年(慶應2年:明治になる2年前)に結ばれており、特に1882年(明治15年)に設立された日本銀行はベルギー国立銀行の制度を参考にしたそうです。

次に、首都ブリュッセルがEUとNATOの本部所在地であることに触れて、欧州の窓口としての役割を引き続き果たして欲しいと、欧州統合の継続への期待を述べられました。

最後に、ベルギーでは日本研究が盛んであり相互理解が深まっていることを指摘されています。

ただ、日本人にとってベルギーを明確にイメージするのは難しいですね。欧州の多くの国の一つであって、ベルギーワッフル・ベルギーチョコレート・ベルギービールなどの食品が思いつくくらいでしょう。アントワープのダイヤモンド取引所(ゴルゴ13によく登場します)もベルギーですが、あまり身近ではありません。

 

シンガポール大統領の晩さん会では、1965年に独立を果たしたシンガポールと翌年1966年に日本は国交を樹立したと述べられています。国交樹立50周年(ベルギーとは150周年)というわけです。

日本とシンガポールの関係は良好で、シンガポールには4万人の邦人が暮らしているそうです。これは、米国(24万人)・中国(13万人)・タイ・英国・豪州に次いで6番目です。

日本にとってのシンガポールはアジアの拠点として大きな意味を持ち続けていきそうです。

 

天皇陛下がいつまでもお健やかでありますよう。

 

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