始末して貯えた自己資本で起業する

井原西鶴さんも粗食に耐えて貯えたお金で起業することを推奨しています。

 

日本でも多くの起業家が自己資本だけで起業しています。

パナソニックの創業者:松下幸之助は、自転車屋の丁稚から大阪電燈(今の関西電力)の工員として貯えたお金を元手にして、二股ソケットの製造で起業しました。

東芝の創業者:田中久重は日本のエジソンと呼ばれた発明家で、からくり儀右衛門と呼ばれました。これを元手に75歳で田中製造所を興します。

ソニーの創業者:盛田昭雄は終戦後すぐに起業したのですが、元手は造り酒屋を営んでいた実家からの資金でした

最近の会社ではソフトバンクの創業者:孫正義は発明で元手をつくると決心して、1日1発明を続けた結果、ついに「声機能付き多言語翻訳機」を発明します。これがシャープに売れて約1億円を手にして、これを元手にして起業しました。

 

アメリカでも、マイクロソフトのビル・ゲイツも、アップルのスティーブ・ジョブスも、デルのマイケル・デルも、ちょっと古いですがHPのヒューレットとパッカードも、みんな自己資本だけで起業しています。HPの二人は、どちらか一人がいつも外回りに出かけていたのですが、仕事熱心なのではなく会社に机が一つしかないからだったとか・・。

今の各社の様子からは想像が難しいのですが、どの起業家も大きな理想を掲げながらも、堅実に一歩を踏み出しています。

 

自己資本で起業するということは、つまり資本が少なくても構わない事業でスタートするということです。起業した後でも、自己資本を充実させることに力を注ぎますが、最初のうちは、キャッシュフローを重視する経営をすることになります。

商品やサービスの販売サイクルを短くすること。仕入の支払期間も短くすることです。仮に帳簿上の売上高が大きくなっても、入金までに時間がかかる仕事は願い下げです。先ずはキャッシュをつくることに集中します。

 

個人の場合は、最初はサービス業で起業することを考えたいですね。サービスの提供と入金のタイミングが同じで、同じ顧客が何度もリピーターとしてくる、広告や宣伝にお金を掛けなくても口コミで広まる仕事でスタートできればベストです。