井伏鱒二は広島県福山市の出身なので、実家に額がかかっています。
「わしが故郷は はるかに遠い 帰りたいのは かぎりもないぞ / 故郷渺何処帰思方悠 井伏鱒二」
井伏鱒二は漢詩を書いたり、古い漢詩に洒脱な訳を付けたことで有名です。
2015年4月4日 「花に嵐 ・・・ 小倉城/勝山公園の桜は散り始めています」
以下は、李白の詩「静夜想」の鱒二の訳です。
静夜想
牀前看月光
疑是地上霜
擧頭望山月
低頭想故郷
寝間の内からふと気が付けば / ネマノウチカラフト気ガツケバ
霜かと思ういい月明り / 霜カトオモフイイ月アカリ
軒端の月を見るにつけ / ノキバノ月ヲミルニツケ
故郷のことが気にかかる / ザイショノコトガ気ニカカル
故郷を持たない人が増えていますが、親のない子はおりません。
秋の夜には、親への便り(電話でも)をいたしましょう。