87歳の方が運転する軽トラックが、小学生の列に突っ込む死亡事故がありました。
横浜市で軽トラックが、登校中の小学生の列に突っ込んで、死亡させて事故です。
小学1年生の元気でやさしいお子さんだったそうです。痛ましいことです。
運転されていた方は87歳で、前日の朝に自宅を出てから24時間が経過していたということです。
どこをどう走っていたのか、覚えていないということです。恐らく、認知症を発症していたのではないかと言われています。
宇部市の隣の山陽小野田市では、この秋に、頭の健康診断といわれる軽度認知症検査(MCI検査)を実施しました。たぶんはじめてのことです。
65歳以上の市民200人が受けたそうですが、スコアが軽度の認知症が疑われるレベルの割合が47%もあったそうです。
MCI検査で、ひっかかると5年以内に50%の割合で認知症になる恐れがあると言われます。
今回は、ショッピングモールなどを会場にして、希望者に対しておこなわれた検査です。恐らく、平均値よりは健常な方の受診が多かったのではないかと思います。それでも半数近い人がリスクが高いと判断されました。ちょっと驚きです。
厚生労働省による推計では、2015年で認知症の方は262万人で、65歳以上人口の8.4%に相当するそうです。
ちなみに、MCI検査というのは、「今日は何年何月何日何曜日」「野菜の名前を知っているだけ言って」「次の三つの言葉を覚えて」とかいった質問に答えることで、頭の健康レベルをチェックする問答型の試験です。
山陽小野田市の65歳以上人口は1万9千人ほどですから、サンプル数200人が全体を表しているのかはわかりません。それでも、認知症の方や認知症予備軍の方はかなり多いでしょう。
自動車運転について認知症検査を義務付け、免許を制限する動きが強まっているようですが、進めていくべきでしょう。
製造業や建設業など、モノづくりの現場でも高齢者は増えています。ほんの数年前まで高所作業に高齢者を従事させることは強く制限されていました。60歳とか65歳以上の人には、高所作業をさせてはいけないという規制をどこの現場もしていました。
現在において、高所作業にせよ、機械操作や作業にせよ、重機建機の運転にせよ、規制を強くしていけば生産も工事もできません。現場で働く高齢者はどんどん増えて行っています。
なかには認知症を発症するリスクのある人もいるでしょう。
高齢者といっても、健康状態は百人百様で異なります。若者以上に元気で明快なお年寄りもたくさんいます。それでも、高齢になればリスクが高まります。
運転免許に限らないで、製造業や建設業に従事する人についても、事前の頭の健康チェックをすることが必要です。