COP21(パリ合意)での、日本の約束は「温室効果ガスの排出量を2030年に2013年対比26%削減する」です。
いろいろな意見や考え方があります。
私も言いたいことはあるのですが、ちょっと封印して、下のグラフを見てください。
1965年から2014年までの日本の実質GDPとエネルギー最終消費量をプロットした図です。
1965年は昭和40年です。昭和の高度成長期に、GDPの増大と共にエネルギー消費がどんどん増えていきました。工業生産も増えましたし、生活も豊かになりました。みんなが自動車に乗るようになり、家が大きくなって、三種の神器など家電が普及していきました。
そこに突然の衝撃が走ります。1973年にはじまったオイルショックです。それまでのようなエネルギー多消費が許されなくなった日本では、その後10年余りの間はエネルギー消費が横ばいで推移します。驚くべきことは、この間も日本経済の成長は止まらなかったのです。
1973年と1985年を比較しますと、エネルギ―消費はほぼ横ばい(2%増加)していますが、GDPは1.6倍になっています。
1986年以降、日本はバブル経済と呼ばれる狂乱のなかで浮かれ舞う時代が来ます。再び、エネルギー消費が増加していきます。この時期には、中国や東欧圏などの経済成長もはじまり、地球温暖化が注目されるようになります。
バブル崩壊後もエネルギー使用量の増加は続き、1997年の京都議定書(COP3)採択・2005年の発効を経て、ようやく増加は止まります。
2008年のリーマンショックと呼ばれる世界恐慌で、日本経済は大きな打撃を受け、2011年の東日本大震災からエネルギー使用の効率化が進んでいきます。
今後、日本経済が再び発展の速度を上げて、GDPが増大したとしても、正味のエネルギー消費を下げていくことが必要です。
仮に2030年の日本のGDPが700兆円になるとすれば、グリーン線の活動になります。年率1.7%のエネルギー使用の削減になるのですが、日本の実力から考えると、容易ではありませんが十分に達成できる目標だと思います。