ドラフト会議をAIに任せたらどうなる?

今年のドラフト会議は、よい選手が多かったので、各球団の指名戦略が問われました。

 

評論家やファンによる講評がたくさん出ていますが、ソフトバンク・ロッテ当たりの評価が高くて、阪神・巨人の評価が低いようです。

 

特に阪神は、1位指名に野手を単独指名したことが驚きだったようです。

これは、ドラフト会議で野手が1位指名されることは、(松井秀喜クラスの有名選手でなければ)通常では無いからだそうです。つまり、2位指名でも取れる可能性が高い選手を1位で指名した戦略が妥当であったのか?という投げかけです。

 

1位指名の入札でくじ引きで外したチームより、希望通りの1位指名を果たした阪神の評価が低いのは意外です。

まぁ、巨人・阪神は人気球団なので、ちょっと厳しめな評価かも知れません。

 

ちなみに、今年のドラフトは1位指名だけが入札方式で、重複があれば「くじ引き」になります。2位指名以下はウェーバー方式で、公式戦の順位下位チームから順番に指名します。

阪神は、シーズンの最後に連勝したのでセリーグ4位となり、ウェーバーでは6番目(今年はパリーグ最下位のオリックスからはじまる)という微妙な順番でした。

阪神としては、1位指名しなかった場合に指名順18位まで残らない可能性が高いと判断したものと思われます。

 

さて、ドラフト会議のように相手がある勝負のときに、どんな選択をすればよいのかを決定するのがゲーム理論です。ビジネスでの競争や、裁判や論戦など、ときには恋愛などの1対1の勝負で勝つ戦略を導きます。

ドラフト会議はプレーヤーが12もいて、対象も100人以上もある複雑なゲームです。どんな評論家も、最も勝つ確率の高い戦略が何だったかを、簡単には評価でき無いと思います。

 

しかし、人工知能の進歩は急速ですから、相手の手を読みながら自分のチームに最適の戦略を計算することができそうです。

2~3年もすると、各チームがそれぞの希望や独自の情報を入力すれば、ドラフト指名戦略を人工知能が計算してくれるようになるかもしれません。

5年もすると、チーム間の戦力均衡とか、興行的な成功とかの要素も加味して、人工知能のほうで各チームに選手を割り振ってくれるようになるかも知れません。

もちろん、ドラフト会議は不要になりますが、ちょっと味気ないですかね?


【2020年3月に追記】

2016年に阪神が1位指名した大山選手成績。

2017年:75試合出場・打率.237・本塁打7本・打点38

2018年:117試合出場・打率.274・本塁打11本・打点48

2019年:143試合出場(全試合出場)・打率.258・本塁打14本・打点76(セ12位)

2020年:年俸4700万円で契約更改。及第点でしょう。